第7話 出生届を出します
朝になりました。
赤ちゃんの名前をネットで調べると、画数や名前に込めた意味を大切にする方が多いいようです。
続けて熊のつく名前を検索してみます。
猪熊、熊一、熊吉、熊太・・・。
「画数とか気にすると、どれもしっくりこないなぁ。」
――自分が愛着を持てる名前もよいでしょう。
なるほど。それなら!
「前から気になってた、タロちゃんに決定です。なんて可愛いお名前!」
抱っこ紐で赤ちゃんを抱っこして、帽子を被せ、靴下を履かせます。
これから、市役所で、出生届けを提出します。
オムツと哺乳瓶も持って準備ができました。
タクシーに乗って、市役所に到着です。
●●
「田中さんー。お産まれになったのは、クマの赤ちゃんですよね。間違いありませんか?」
市役所で順番待ちの番号を持って待っていると、どこからかスタッフの方がやってきました。
「は、はい。間違いないです。」
「では、奥のお部屋へどうぞ。そちらでの案内になります。」
後をついていくと、看板には、動物の赤ちゃんを出産された方専用の窓口と記載があった。
「どうぞこちらへ。お座りください。」
「最近は、いろいろな動物の赤ちゃんを産む方が増えてきました。ですので、こうして安心して子育て出来るように別室が用意されております。」
知らなかった・・・・。
でも、すごく安心できるなぁ。
「えぇっと。まず動物を出産された方に説明させてもらってることですが、動物の赤ちゃんを道端に捨てない。川や海に捨てない。山に捨てない。赤ちゃんはとても敏感です。たくさん可愛がってあげてください。」
捨てるやつなんているのかぁ。
お腹を痛めて産んだ我が子を・・・。
「続いて、出生届を拝見しますね。お名前は、タロちゃん。ですね。はい、これで無事に登録できました。保育園に関しても、動物のお子さんを産んだ方だけが集まる施設もあります。また、時期が来たらご相談ください。それでは、お疲れ様でした。」
私は、お礼を告げて個室を出た。
ウサギの赤ちゃんを抱っこしているママとすれ違う。
・・・本当にいろいろな赤ちゃんを産むママがいることに改めて驚いている私。
「ウサギの赤ちゃんも可愛いぃなぁ」
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