第6話 解析使ってみた(生後3週間)

 いや、助けて貰っちゃったぞ?じゃなくてさ、学習しよ?モヒカン商人Xさんよ。


 『ねぇ父さん、その女の子誰?まさか、商人さんが誘拐したんじゃないよね?』

 『あ、それは大丈夫だよ。あの子は商人さんの娘さんらしいんだ』


 良かった…、娘さんか。

 見たところ4歳ぐらいだし、もし誘拐なんだったら事案だね。あと、知り合いが犯罪者になったら、すごい微妙な気持ちになるよね。


 「かわいい〜!ちっちゃいおおかみさんだ〜!」

 「キャン!?」『うおっ!?』


 いきなり抱きつかれた…。

 …そこの所はもうちょっと強く撫でてくれると嬉しい。


 「こらケルシー。キャルロジック殿にいきなり抱きついたらダメであろう?」

 「え〜…、分かったよ〜」

 「ご挨拶しなさい」

 「えっと、私ケルシー!ねぇ、もう一回撫でていい!?キャベツロック?君!」

 『いいよー、あとキャルロジックだよー。それとキャロって呼んでね。

 ———あ、聞こえないんだっけ?』


 ケルシーちゃんが凄く自然に話しかけてくるから、忘れてた。うっかりだね、恥ずかしー。


 『えっとねケルシーちゃん、この子は————』

 「キャロ君ね!分かった!」


 そう言ってケルシーちゃんは抱きついてきた。

 良かった、聞こえてて。       

 ——————————うん、なんで?


 『えっとケルシーちゃん?なーんでオレの言葉が分かるのかな?』


 ここで考えられるのは2つしかない。

 1つ、そういうスキルを生まれ持ってたってこと。

 2つ、先祖にそういうスキルを持った人がいて、いわゆる先祖返り?的なやつ。


 「え?普通に喋ってるんじゃないの?ていうかもふもふだね!キャロ君!」


 え?そうかな?モフモフ、いやもふもふ?ちなみにもふもふの方がランク上だよ。父さん達はひょふひょふ。

 ってそうじゃなくて!まさかの3つ目?普通に聞こえてるって……。う〜ん、思いつかない。

 —————あ!そう言えば解析あるじゃん!よし、そうと決まれば早速、生まれて初めての、「解析!」


 “巫女です。”


 え?


 “だから巫女です。”


 え?気のせいじゃ無ければ、今誰か喋った?

 それとなんでステータス画面出ないんだろ。こうバッ!って。


 “ええですから、喋ってるじゃないですか?それとステータス画面は鑑定じゃないと出ませんよ?だからあの時ファイナルアンサー?って聞いたのに。本当に変わってますよね、解析選ぶなんて。”


 あの時にファイナルアンサー?ってもしかして………あの女神!?


 “はい。それとアマテラスでお願いします。様も付けていいですよ?女神ですし。”


 ——————なんでアマテラスがいんの?


 “解析の能力ですよ。私が、この世界の管理者たる私が!情報を教えてあげるんですよ?贅沢ですし、感謝するべきだと思います。”


 へぇ、能力なんだ。

 ま、アマテラスはもういいから、巫女ってどういう事?


 “私に対する扱い酷くないですか?はぁ…巫女ですね?巫女は、貴方だけに存在する、いわば専属メイドのようなものです。わざわざ作ってあげたんですよ?”


 女神ちょっとウザイ…。

 で、その巫女がどうしてこの子な訳?


 “いや〜、本当なら2週間で巫女って決まるんですけど、中々人が居なさすぎて…ね。たまたま来た子がこの子だったって訳ですよ。まぁ幸い、この子も貴方の事を気に入ってますし、いいんじゃないですか?”


 軽いなぁー……、こんなのが能力でいいの?


 “こんなのとは失礼ですね。”


 まぁ、アマテラスは放っといて、父さん達にどう説明しよう…

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女神様の凛々しいは、人外のようです〜異世界に転生したらオオカミだったけど、進化出来るなら別にいいです〜 たくアン @iburitaku

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