2020年4月13日(月)-1
「熱、いつもの平熱に下がったわ~」
と、朝一で検温した夫が見せた体温計の表示は、36.7度。おお、確かにいつもの夫の平熱だ……!
「体調どうよ。だるいのは?」
「うーん、昨日一日寝ていたから、今日はそうでもない。普通に行けると思うから、ひとまず行ってきて熱が出たこと説明してくる」
コロナが広がったおかげで、わりとブラック寄りの夫の会社ですら「ちょっとでも熱が出たら休め」というお達しが出たそうだ。
いつも通りの時間に出勤したが、自宅待機を命じられ、9時前に普通に帰ってきた。
「PCR検査受けろって言われた」
「受けろって言われたところで、検査って混み合っていて、わりと待たされるんでしょう?」
この頃はとにかく検査不足がやり玉に挙がる風潮がある。
このあたりの地域はどうなんだろう? 一応は首都圏、関東地方だけに、都心に仕事で出ているひとも多いから、検査キットもやはり足りない状況なんだろうか?
「というか、おれ、濃厚接触者になるっぽい」
「はっ?」
「会社の取引先のひとが陽性になってた。で、おれを含め何人かが会っちゃってるんだよね、先週、そのひとに」
「のぉぉお――……っ!」
控えめに言ってアウトじゃねぇか。
「ってわけで、事務のひとが保健所に連絡して、PCR検査ができるように、なんかいろいろやってくれるって。とりあえずその連絡待ちで、家にいるように言われた」
「な~る~……。まぁ……連絡を待つしかないよね。保健所も今かなり大変だって聞くし。企業が動いたところでそうそうつながらないかも」
だが、個人で問い合わせるよりは早く連絡がつくはず。
そう思ってじりじりしながら待つこと二時間。
状況を聞いた保健所からの指示で、会社で出た濃厚接触者4名のうち、2名はPCR検査を受けるようにという指示が下った。
その2名のうちに、うちの夫が含まれていた。
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