2020年4月10日(金)-1

 さぁて入学式だぜ。新一年生おめでとう。最高気温は15度か……。


「15度。微妙だな。日差しがあればそこそこあったかいか? うーん、どういう格好で行こうか悩むな」


 卒園式のときのように下にもヒートテックを履いて裾をたくし上げるか? でもあれ血管が圧迫されて結構きつかったんだよな……。

 ということでヒートテックは上だけにして、娘もワンピースと上着を着せて、可愛い靴下をはかせることに。


「じゃあ○市君のことお願いね~」

「あいよ~」


 入学式は原則、保護者は一人ということだったので、夫には半休を取ってもらって午前中は家で息子を見ていてもらうことにした。ついでに車での送り迎えも頼んだ。

 なんと言っても保護者が持っていくことになっているお道具箱(文房具全部入り)と算数セットと粘土が重い。これを抱えて寒い中を小学校まで歩く? うっ、よみがえる一日入学の寒さの記憶……! あんな思いは二度としたくねぇ。


 ということで小学校に到着。九時二十分受付開始のところを九時にやってきた母子である。まだ二、三組しか到着していないや。

 受付は各教室前の廊下だからもう入っちゃっていいのかしらん? しばらく外で待っているのがセオリーだろうと思うけど、いかんせん寒い。なんか北風が吹いてきたんだが。

 桜が半分は散っているだけに、寒々しい風が吹くとお祝いモードがより失せていく。


「ママ~寒いよぉ……」

「だよねぇ。やっぱりもう一枚着てくるべきだったかな? ごめんねぇ、ママの選択ミスだわ」


 と声をかけつつ、止められなかったので昇降口に入り、名前シールが貼られた下駄箱を見つけてそこに靴を入れ入っていく。

 まだ早い時間だがすでに先生はスタンバイしていて、3クラスあるうちの2組だと言われた。


「おはようございます、はい、佐倉○子ちゃんですね。名札をつけるからじっとしていてね~」


 と担任の先生が娘に真新しい名札をつけるあいだ、こちらは市から届いた入学の届けなどを提出。ホチキス止めした資料をもらって、いざ教室へ。


 まだ誰もいなかったので、補助とおぼしき先生がついてきてくれた。


「ではまずは机の上の資料をランドセルにしまいましょうか。黒板にも手順が貼ってあるので、それを見ながらね。ゆっくりで大丈夫よ~」


 ということで荷物をランドセルにしまい、持参したお道具箱などを机にしまって、いそいそと準備をはじめたのだった。

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