2020年3月16日(月)-1
晴れ晴れとした卒園式の朝だ。わたしの心も晴れ晴れしている。
二日前にようやく、豪華客船クルーズなロマンス小説を書き終わったからだ!
(一日おきの登園とは言え、ほぼほぼ書ける状態じゃなかっただけに、しっかり〆切までに書き上げたわたし、偉大すぎる……!)
本日卒園する娘よりわたしを褒めてくれという気持ちで胸がいっぱい。明日には新刊も配信になるし~。フッフー♪
「とか喜んでいる場合じゃないわ。ちょっと待ってくれよ、今日の最高気温12度だって?」
冬じゃん! どうしよ。感染症対策で遊戯室の窓は全部空けて行うって卒園の案内に書いている。ほぼほぼ屋外と変わらん。
フォーマルの服はあってもコートがない。どうしよう!
「もうヒートテック二枚重ねていくわ。下もストッキングの上に手持ちのヒートテックレギンス重ねる」
「でもレギンス、十分丈の奴じゃなかったっけ?」
「その通り。だからまくり上げる!」
ということで、膝下丈のワンピースの下では、かかと部分からたくし上げられたヒートテックが太腿に食い込んで血行を圧迫しまくっている状態になったが、温かさには代えられない。マジで食い込んでかなり痛いんだけども……。
ついでにホッカイロもワンピースの上から腹と腰に貼った。ジャケットで見えないから大丈夫だと信じよう。
「○子ちゃんもどうせ見えないから、ワンピースの下に長袖のシャツ着ていこう。タイツの上からレギンスも……ああでもそれだとトイレのとき苦労するか……」
子供は大人よりマイナス一枚の服装で大丈夫というし、ここはあえてタイツだけにする。
春の気温は本当に高くなったり低くなったりだから、寒い日もあるだろうとは思ったけど、まさかこんな日に10度くらいしか行かないなんて。拷問過ぎる。
「○市の格好はどうするの?」
「黒い色のズボンがあるからとりあえずそれ履かせて。上は発表会のときに着たブラウスがあるからそれで。こっちも寒そうだから下にもう一枚着せたほうがいいかも……」
卒園式の日、在園児は協力保育になる。教育認定の子は問答無用でお休み。保育認定の子はなるべく休んで、どうしても駄目なら預かるよ、というスタンスだ。
式のあいだ、息子をどうしようか悩んだのだ。夫も卒園式に出たいというし、わたしの母にきてもらって見ていてもらおうかとも思ったが、両親二人そろっているなら卒園式に連れて行ってもいいんじゃないかと結論づけた。基本、園児一人につき両親しか出席できない式だが、在園児ならばなんとかなるだろう。たぶん。
ということで息子もフォーマルっぽい格好をさせて、わたしは慣れないヒール(と言っても3cmもない)をひぃひぃ言いながら履いて、幼稚園までの道を歩いて行くことになった。
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