第2話

 中学生になり、部活に勉強。

 だから、あんまりもえかと一緒にいる事も

 減るかな、なんて思ってたけど休日よく家

 に来てはゴロゴロしているもえか。

 

 

 

 テスト前

 

 オレは、理数系が得意じゃない…

 そしてもえかも同じだ…

「これじゃ一緒に勉強してても共倒れだな」

「うーむ。困った…あっ、そうだ‼︎真樹ちゃ

 ん理数系得意だよ‼︎」

「よし!来週の休日真樹ちゃんに教えてもら

 おう‼︎」

「わかった!伝えとく‼︎」

 そして休日。

 

 

 早速真樹先生のお勉強講座開始。

 うんうん。わかりやすい。

 真剣に勉強してたら、

 

 ピンポン。

 玄関のインターホンが鳴った。

 モニターをみると

 たもつ⁇

 

 

「たもつー。どうした?」

「週末勉強会やるって言ってたから、寂しく

 てきちゃった♡ウフフ」

「気持ちわり…恋人かよ…⁈」

「アハハ、たもつくんどうぞ。上がって」

 自分の家かのように振る舞うもえか。

「もえか…自分の家みたいだな。」

「もう自分家同然でしょう」

「だなー」

 そんな会話をしつつ、たもつも交えてはか

 どる勉強。

 

 

 たもつ頭いいのにわざわざ家に来るなんて

 珍しいな。

 ま、いいか。

 さ、勉強勉強っと。

 

 

「あー、頑張ったー!ひと休みしよーぜ」

 とりあえず、みんなで甘い物をつまんで脳

 を休ませた。

 

「テストってしんどいー。」

 真樹ちゃんの一言にすかさずたもつが。

「テスト終わったらさ、みんなでどっか遊び

 行かない?」

 みんなを見ながら提案してきた。

「おー、いいね!」

 うんうん。

 もえか達も頷いた。

 

 

 これで、テストのやる気も上がる。

 少しして、また勉強再開。

 先生が二人もいると、とにかくはかどる。


 そしてあっという間に日も暮れて、

「オレ、そろそろ帰るわ。真樹ちゃんどうす

 る?」

 たもつが荷物をまとめながら真樹ちゃんに

 聞いた。

「あ、もう暗くなってきたし私も帰るね」

「うん」

 

 そして、二人は仲良く帰って行った。

 もえかとオレは、もう少し勉強を続けた。

 

 しばらくして、頭も上げずにもえかが話し

 出した。

「なんか、あの二人いい感じじゃなかった

 ?どう思う⁇」

 顔を上げてもえかがニタニタした。

 

 そういう事か!

 だから、たもつわざわざうちに来て勉強し

 たのか。

「あー、だな」

「なんか、テストあけにみんなでお出かけ更

 に楽しくなりそう‼︎」

 もえかは、目をキラキラ輝かせた。

「ねー、みんなでどこ行こっか⁉︎」

「んー、映画とか⁇」

「あー、いいね。この前私達が観たいって言

 ってたやつ、もうすぐ公開だよ!」

「マジ⁉︎なら、たもつに相談しとくわ」

「うん。私も真樹ちゃんに言っとく。」

 

 

 もえかは、すっかりテストより映画モード

 になって帰って行った。

 

 大丈夫かよ…もえか。

 頭ん中映画一色じゃねぇか。

 

 

 でも、テスト全部平均点超えだってもえか

 が報告に来てくれた。オレも平均超えてよ

 かった。

 

 理数系頑張ってもえかに教えられるように

 もっと頑張ろっと。

 

 

 そして映画の日。

 オレは朝早くから目覚めてしまった。

 カーテンを開けるとちょうどもえかが犬の

 散歩に行く所だった。

 もえかも早起きだなぁ。

 そんなもえかを窓からじっと見下ろした。

 もえか…

 もえかの事好きだよ…

 

 

 

 

 

 朝ごはんを食べて支度してたら、

 トントン。

「こーすけー」

 ドアの向こうからもえかの声がした。

「んー、開けていいよー」

 ガチャ。

 ドアの向こうに立っていたのは……

 

 小学生の格好から、ガラッと変わり大人び

 た服装。

「どう⁈」

「うん。いいよ!すっごくかわいい」

「本当⁉︎」

 嬉しそうに喜ぶもえか。

 

 

 クソっ‼︎

 可愛すぎる‼︎

 でも、もうこれ以上可愛くならないでくれ。

 オレは、心の中でそう叫んだ。

 

 

 待ち合わせは、駅の前。

 なので二人で駅まで歩いて向かった。

「晴れてよかったな」

「うん!あ、ねぇ。今日たもつくんと真樹ち

 ゃんくっつくかな?」

「うーん。どうだろうな」

「康介は、二人が付き合ったら嫌?」

「別に嫌とかはないけど…」

「じゃあ、たもつくんに先越されたら寂しい

 とか?」

「うーん…」

 特にどっちでもよかった。

 

 …   …   …

 

「ねぇ…康介はさ…その…やっぱり、あの…

 付き合うとかあんまりあれなのかな。面倒

 とか思ってたり…って。何言ってんだろ。

 私。やっぱりいいや」

 

 もえか…

 もしかして、もえかもオレと同じ気持ちな

 のか⁈

 

 もし、そうだとしたら今すぐ抱きしめてお

 もいを伝えれば簡単な事だ。

 でも、もし別れたりしたらこの関係が終わ

 ってしまう。

 オレは、ずっともえかの側にいたい。

 だから、このままがいいんだ。

 

 ごめんな。

 もえか。

 こんな意気地なしが幼馴染で…

 

 もえかの顔が沈んでいくのがわかった。

「なんだよ。オレがなんだ⁇ん?」

「キャ〜やめて〜」

 軽くヘッドロックしてやった。

 本当は、抱きしめてやりたかったけど今の

 オレにはこれが精一杯だった。

 

 

 続く。

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