第16話

 目を覚ますと真っ白な世界が広がっていた。どこを見渡しても僅かな汚れの無い純白で、それ以外に何も存在しない空間。


「我は死んだのか……」


 魔族の王とやらに叩きのめされてから記憶が無い。何故、あの時は炎を出せなかったのかだろうか。


 人間の命はあっという間に終わりを迎えた。結局、何故我が人間として蘇ったのか分からなかった。だが、もう考える必要も無いのかもしれない。


 もう既に死んだのだから……。


「君はまだ死んでないよ」


 何も存在しないはずの空間で何者かの声がする。どこか聴いたことのある声のような気がした。 

 声のする方に顔を向ける。


「お、お前は!?」


 そこには落ち着いた雰囲気の少年が立っていた。その少年を見て唖然とした。


 何故、我の前に立っているのか理解出来なかった。空いた口が塞がらない我を見かねて、少年は切り出す。


「それはびっくりだよね、急に現れてごめん」


「びっくりも何もどういうことなのだ!?何故我の前に我が立っている」


 自分で言っていて意味が分からないと思った。今起こっていることを言葉にするとこのような言い方になってしまう。


 言葉通り、目の前にいるのは我だ。人間として蘇った我の姿をした茶色の髪の少年がいる。


 うん?少年が小さく感じる。いつもより我の視線が高い気がする。視線を下げてみると——


「ぬぁ!?」


 黒くて巨大な前足、後ろを向けば大きな翼の先端が見える。それは竜王の頃に見えていた当たり前の姿だった。


「戻ったのか……?」


「うーん。正確には戻ってないんだけど、どう説明しようかな」


「一体何が起きているのだ!ここはどこで、お前は誰で、何故我は元の姿に戻っている!」


「わ、分かったから。一旦落ち着いて、全部話すから……いや、僕も君に真実を伝えるために来たんだ。これから全てを話すよ、竜王」


 神妙な面持ちの少年は何かを決心したように口を開いた。


 *****


「ねぇー!オリンオリン!すごいの見つけた!」


「なになに!」


 森の中で黒髪の少女と茶髪の少年が楽しそうに話し出す。


 少女の名はメリー。少年の名はオリン。二人はすくすくと成長し、今ではメリーは十八歳になり、オリンは十六歳になっていた。


「変な虫!」


 メリーは細長い足がいくつも付いている虫をつまみ上げるてオリンに見せびらかす。


「うあああああ!」


「アハハッハ!オリンは臆病だなー」


「違うよ!急に見せられたからビックリしただけだよ!」


「嘘だー、そんなんじゃ立派な騎士になれないぞ!」


 メリーは笑いながらオリンの肩を叩いた。白髪のエルフが竜王を討伐してから二十年後が経過した。竜王が滅んだことにより竜たちの勢力は落ち、残りの竜を討伐するのに長い年月はかからなかった。世界は平和を取り戻していた。


 竜の時代は終わりを告げ、世界は平和を取り戻した。しかし竜と戦い散っていた者たちは少なくない。そこで女王ベネディは十六歳以上の男性を王都に集めて騎士団での訓練期間を設けることにしたのだ。


「……そうだね」


 オリンは訓練期間について乗り気ではなかった。オリンは幼い頃から体力に自信が無い、穏やかでゆったりとした生活を送りたいオリンにとって、騎士団の訓練についていけるのか不安で仕方がなかった。そんな不安心を見せまいとメリーの前では苦笑する。


「オリン……でもさ、訓練は一年で終わるんでしょ?」


「うん……そうだけど……」


「私、絶対待ってるからおじいちゃんと一緒に!だからさ、そしたらまた一緒に暮らせるね!」


「メリー……。うん、頑張るよ僕。そして強くなって、僕が君を絶対に守るよ」


「オリンのくせに生意気だぞ!」


 照れくささを隠すようにさっきよりも威力強めでメリーはオリンの肩を叩く。


「いてっ!」


 メリーが叩く強さに守る人は必要ないのではと思うオリンであった。


 オリンの心に不安が消えた訳ではない。しかし、これを機に新しい自分に生まれ変わりたいと思った。いつまでもメリーの横に立てるような強くて立派な人間に。


 *****


 それから一週間後、オリンは正式に騎士団の見習いとなった。


 見習い初日、王都にあるお城の中庭に集められた。そこにはオリンと同様に多くの十六歳の少年がいた。


 これから始まる訓練で一体何が行われるのか、場は不安一色の空気感に包まれていた。


「今日から君たちを預かることになった騎士団、団長のシャプレーだ。よろしく」


 体格が良く整った口髭の男が挨拶する。団長の登場により場の空気が引き締まる。


「これから君たちには騎士団の見習いとして一年間訓練をしてもらう。訓練を終えた後は騎士団に残っても良いし、辞めても良い。そこは強制をしないから安心してくれ。ただ、何故君たちがここに呼ばれて来たのかは理解して欲しい。現在、魔族の反乱が問題となっている。種族同士の和を乱し、自分達だけが上に立とうとしている。武力を持ってな。それを阻止するべく君たちが呼ばれたのだ。この一年間、女王陛下の切実なる期待を背負っていることを肝に銘じて欲しい。私からは以上だ」


 それは遠回しに魔族と戦えという意味だった。いつの日にか自分が魔族と戦わなければいけないという現実にオリンの心は押しつぶされそうだった。


 その日以降、騎士団での訓練が始まった。

 最初の一ヶ月間は基礎体力向上を目的とした、走り込みや筋肉増強トレーニングをした。


 体力作りの後は剣の構え方や振るい方、魔族との戦闘を想定した模擬戦などを行った。


「オリン!踏み込みが弱い!そんな軟弱な剣では簡単に跳ね返されるぞ!やり直し!」


「は、はい!」


 団長との模擬戦でオリンはダメ出しを受ける。


 もう一度声を上げて剣を振りかぶり、団長の剣に向かって振り落とす。

 団長はオリンの剣を簡単に受け止めて、弾き返す。その反動でオリンは剣を手放し尻餅をつく。


「お前は全然ダメだ!力が無さすぎる!明日から体力作りに戻れ!」


「え……?」


「次、来い!」


 オリンの戸惑う様子に構うことなく、団長は別の少年の稽古を付ける。


 明日から体力作りをしろと言われたのはオリンが初めてだった。


 周りと同じように訓練をこなしてきたはずなのに他との力の差はあまりにも大きい。

 オリンは地獄の訓練に耐えてきた。過度のストレスから来る吐き気に耐えながら、必死で団長が提示する訓練にしがみついてきたつもりだ。


(何で……僕だけ……)


 理不尽な現実に自分の拳を強く握り締める。


 早く辞めたい、メリーのもとに帰りたい、けれど訓練期間はまだ半分も終わっていない。訓練期間が終わるまであと何日耐えればいいのか、考えるだけでオリンは気がおかしくなりそうだった。


 その次の日からオリンは一人だけ体力作りに励んでいた。他の少年たちが中庭で剣術を学んでいる時、オリンは王都を出て走り込みや腹筋、腕立て伏せなどを何回も繰り返した。


「もう無理だよ……僕にはできない……」


 自然と涙が出る。体を丸めて一人泣き崩れる。

 自分だけ他の少年より遅れていて悔しかった。自分が情けなくて惨めのように感じた。


「もう帰りたい……」


 このまま失踪しようとも思った。けれどメリーの顔が浮かぶ。


「ずっと待ってるって言ってくれたんだ。すぐ戻ってきたらまた叩かれちゃうよな」


 なんとか踏み止まって体力作りを再開した。夜になり訓練を終えて騎士団の寮に戻る途中、勢いよく走って来る少女とぶつかる。


 少女はぶつかった反動で倒れる。


「ごめん!大丈夫?」


 子供用の黒いドレスを着た少女は、オリンの服にしがみつく。


「お願い!助けて!」


「え?」


 少女はパニック状態になってオリンの服を掴み助けてと訴えかける。オリンは状況が掴めなかった。


「ちょ、ちょっと落ち着いて!どうしたの!?」


「やぁーすまないねー。ありがとう捕まえてくれて」


 そこに息を切らしながらやって来たのは顔がふっくらとした小太りのエルフだった。

 少女を走って追いかけたので額に汗が滲んでいる。


「えっと……あなたは?」


「僕のことを知らないのかい?まあいいや、その子をこちらに渡してくれ。いやー困ったもんだよね、この年頃の女の子は」


 そう言いながら、小太りのエルフは服のポケットからハンカチを取り出して額の汗を拭き取る。


「この子とはどういった関係なんですか?」


 人間とエルフだから血縁関係ではない。少女の助けてという言葉が気になりオリンは関係性を聞いた。


「えっ?何って家族だよ家族。身寄りのないその子を僕が引き取ったの。いやー本当に良い子で助かってるんだよ。その子僕が言うこと何でもやってくれるしさ。家の中では僕のプリンセスだよ。さぁ、プリンセス一緒にお家に帰ろうねー」


 小太りのエルフの言葉に少女は見向きもしない。ずっとオリンの服に小さな手でしがみついている。まるで助けを求めているかのように。


「あの、この子嫌がってるみたいなんですけど……」


「いやいやプリンセスは照れ屋さんなんだよ。僕の言葉が嬉しいだけだよ。ねー?プリンセスー」


 小太りのエルフが呼びかけると少女の手は震え出す。


「お、おねがい、おねがい、た、たすけて」そう小さな声で少女はオリンに助けを求める。   


 少女の植え付けられた恐怖感がこのエルフは普通ではないことを示している。

 

「心配なので一旦この子は僕が引き取ります」


 オリンはキッパリとエルフに言った。ここで引き下がってはダメだと思った。オリンはメリーに強くて立派な人間になると誓ったのだ。


「あ?僕のプリンセスを取ろうって言うのか!この泥棒が!人間のくせに!」


 エルフは少女の体を掴もうとするが、それをオリンが手で払いのける。


「な、何をする!」


「行くよ!」


 オリンは少女の手を握り走り出す。騎士団なら事情を説明すれば少女を保護してもらえると考えたオリンは城の中庭に向かう。


 小太りのエルフがオリンの速さに追い付けるわけもなく、撒くことに成功した。


 中庭に行くと訓練終わりの団長と見習いの少年たちがいた。


「団長!」


「何故、ここに来たオリン。うん?その子は」


「それが——」


 オリンは事の経緯ついて説明した。


「それは本当かオリン!」


「はい!本当です!」


 その瞬間、団長の拳がオリンの顔めがけて飛んでくる。一瞬の出来事で頭が追い付かない。気づけば自分は倒れていて左頬が痛く腫れていた。


「貴様!なんてことをしてくれたのだ!その方は上流階級のエルフ様だ!」


「ですが!この子は怯えています!」


「そんなことはどうでもいい!上流階級のエルフ様は女王陛下と繋がりのあるお方だ!女王陛下の不満を買うようなことがあれば騎士団の評価が下がる!早急にその子供を返すのだ!」


 見せつけられた現実は一切の救いがない地獄だった。自分たちの保身しか考えない騎士団、上流階級だからという理由で子供に酷い扱いをするエルフ、それを容認するこの国。


 正しさなど、どこにもないこの国に怒りを覚える。その怒りを今この場でぶちまけるべきだ。そして救われるべき子供を救うべきだ。


 だがオリンの発した言葉は——


「は、はい。分かりました……」


 認めてしまったのだ、この国の在り方を。否定することができなかった。臆病な自分がチラリと顔を出したのだ。


 結局オリン自身も自分のための選択をした。


 オリンは臆病な自分自身に絶望し、少女の目から希望が消えた瞬間だった。

 その後、オリンは少女を連れて町に戻った。


 少女は無言で小太りエルフの家を案内する。オリンは言葉をかけることができないかった。逃げ出した自分にその資格は無いと思ったからだ。


 小太りエルフの家に着く。ドアを叩くと小太りのエルフが慌ただしく顔を出す。

 そしてすぐに少女に抱き着く。


「何かされなかったかい?大丈夫!怖い思いをしたかもしれないけど僕がいるからね!」


 そう言いながら少女の頭を撫でる。


「プリンセス疲れたよね。中に入ってゆっくり休むんだよ」


 少女の背中を押し家の中に入れる。小太りエルフは安堵の表情から鬼の様な形相をオリンに向ける。


「人間のくせによくも!」


 叫びと同時に小太りのエルフの唾液と拳が顔面に飛ぶ。


 オリンは気力を失い簡単に倒れる。小太りエルフは家から木剣を持ち出しオリンの体に勢いよく振るった。何度も何度も何度も。


 まるでそれをいつもしているかのような慣れた手つきで夢中になり叩くのを止まない。


 オリンは一切の反抗をしなかった。無抵抗にただ叩かれている。


 通行人はチラリと見ては困惑した表情を見せて何もせずに去っていく。

 

 家に入る直前の少女の目がオリンの頭から離れない。希望を打ち砕かれ、全てに絶望し切った少女の目。


 藁にもすがるような思いで求めた、ごくごく小さなSOSは誰にも届かず、悪夢のような状況は変わらない。


 そんな現実を小さな女の子に突き付けたのは、自分自身だとオリンは己への嫌悪感が湧き続ける。


 意識を失い気づけば仰向けで倒れていた。


 小太りエルフの姿はない。あるのは体の内側から滲むような痛みだけだ。


 自然と涙が流れる。内側から膨れ上がる感情が混じり合い、今まで味わったことのない複雑な感情が溢れ出す。


 流した涙の理由を分からないままひたすらに泣きじゃくる。


「何を泣いている、少年」


 首が回らないので声がした方に視線だけを向ける。


 視界に映るのは頭頂部全体がハゲた丸眼鏡の老人だった。


「いや、愚問だった。私は最初から君を見ていた。痛かっただろう、私の家で手当てをしよう」


 老人はオリンの腕を自分の肩に回して立ち上がるのを手伝う。


 老人の支えもありふらつく足で一歩一歩、歩き出す。


「あなたは……?」


「なに、ただの冴えないジジイじゃ。君がほっとけなくてのう」


 なんとか老人の家まで来て中に入る。家の中に入ると、老人はオリンをクッション付きの長椅子に横たわらせる。


「すぐに包帯と氷水を持ってくる」


 手際良く老人はオリンの処置を進める。酷い打撲の箇所には氷水で濡らした布を当てて、包帯を巻いていく。


「しかし、傍観者の私が言うことではないが、ずいぶんと派手にやられたのう」


「この国ではエルフの機嫌を損ねたらこれが当たり前なんですか……?」


「そうじゃな。エルフに逆らうことが許されない風潮が広まりつつある」


「そんなのおかしいよ……」


「そうじゃな。お前さんの言うことはごもっともじゃ。全種族の敵である竜王をエルフが自らの命を賭して倒した。そこまでは良かった。しかし、その後エルフらは救世主と自分たちの魔術が世界を救ったのだ主張し始めた。おの竜王を倒すほどの摩訶不思議な力をエルフなら使える、その言葉が人間や魔族の中で広がった。いつしか人間はエルフ恐れ順々に従う種族となっしまった」


 淡々と語られる事実。村育ちのオリンには知らなかったことばかりだった。


「やっぱりおかしいじゃないか……。人の尊厳を、想いを、何だと思っているんだ……簡単に踏み躙っていいものじゃない!」


「君、名前は?」


「オリンです」


「オリン君、このおかしな現実を変えたいとは思わないか?」


 その問いにオリンは少し戸惑う。自分にはその力が無いからだ。

 でももし変えられるのなら——


「変えたいです」


「そうか。その言葉を信じて託そう」


「何をですか?」


「見た方が早いだろう。すまないがオリン君、立ってるか?」


「はい」と返事してオリンは長椅子からゆっくりと立ち上がる。

 老人は長椅子の端を押し出して位置をズラす。そして長椅子の下に位置していた床を手の平で撫でる。


「あの、何を?」


 老人は人差し指の爪で床を引っ掻くそぶりを見せる。カチッという音が鳴り床から取っ手の部分が現れる。


 取っ手の部分をつまみ引き上げると、釣られて正方形状の床が上がる。床でカモフラージュした隠し扉だったのだ。


 床の下には空間があり梯子はしごが垂直に立てかけられている。


「これは!?」


「地下室じゃ」


 老人は梯子で地下室に降りる。オリンも続いて傷が痛まないようにゆっくりと地下室に降りる。


 ひやりとした空気が流れ、天井に吊るされた電球が鈍い光を放っている。

 人が一人寝られるスペースの丸みを帯びたポッドが存在していた。


「オリン君、竜が討伐された後どうなるか知っているかね?」


 唐突の質問に「分からないです」とオリンは答えた。


「基本、竜が死んだ後は解体作業に移る。始まりは科学者たちのただの好奇心からだった。他の生物とは次元が違う竜という存在。その中身はどのような仕組みなのか。解体していくと竜の心臓部に小さな球体を発見した」


 ポッドの上に細長いガラスケースが置かれている。老人はそれを手に取りオリンに見せる。


 ガラスの底には翠色の小石が敷き詰められている。そして小石の上に禍々しい漆黒の光を放つ黒い球体がある。


「これは竜王の体内から発見されたものだ。他の死んだ竜からはこのような光を放っていなかった。私はある仮説を立てた。竜王は氷漬けになり解体された。しかし、完全に凍らせたことにより、体は死んでも意識は死んでいないのではないかと。この球体が竜の核のようなもので、エネルギーの源だとすれば世界を覆すほどのパワーがこれに眠っているのではないかと」


「えっと……つまり?」


「要するに、この球体を人間の体に適合できれば竜王の力を兼ね備えた最強の人間が誕生するのではないかということだ」


 竜王の力を使える人間を創るなどぶっ飛んでいる、オリンはそう思った。

 老人の話は全てが憶測によるものだった。実現する確証なんてものはない。


「仮に竜王の力を人間が使えたとして、その後何をするんですか?」


「決まっている、エルフたちに反逆するんだ。奴らに今までしてきた行為がどれほど非道だったものかを味わわせてやるのだ」


「反逆……」


(反逆それに意味はあるのだろうか。やられたらやり返す、それは一瞬満足することかもしれない。しかし、やられた側は必ずまたやり返す。そのサイクルに平和は訪れない)


「オリン君もそう思うだろ。君がそこまで傷つくほどのことを君が奴らに何かしたのか?その傷は理不尽の表れじゃないのか?」


 老人の言葉にオリンの心は揺れ動く。


「私はもう歳じゃ。竜王の力を適合するには体に多少の不可がかかるだろう。おそらく私の体がもたない。だから君に竜王の力を託したいと思っている。どうだ引き受けてはくれないかね」


「……少し、考えさせてください」


「すぐに決断できることではないな。うむ、いいだろう」


 その日、オリンは老人の家に泊まった。騎士団の所に戻るつもりは無かった。

 長椅子に横たわり、老人の言葉に乗るか考えていた。


 竜王の力が自分のものになるかは分からない。竜王の体内にある異質な物を人間の体内に入れれば、体が拒否反応を起こし最悪死に至るかもしれない。


 死ぬ可能性がある以上、いくら考えても決断することはできなかった。

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