8.魔城 ~より

8.前節

━─━─ № 8-1 (1,354) ─━─━

  〖かけふ〗(名詞)


かけ】⚠  #1,628

 〈何かの上にかぶせる布〉〈掛け布団〉の意。

 一般に{かけ}と書かれるが、〔掛〕は〈つり下げる〉〈かかわらせる〉の意味合いが強く、字義不相応と思われる。


かけ】✗  #1,629

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈かぎなどにり下げた布〉のような意となる。



━─━─ № 8-3 (1,356) ─━─━

  〖あけ〗(名詞)


あけ】⚠  #1,630

 〈赤色〉〈朱色〉の意。



━─━─ № 8-5 (1,358) ─━─━

  〖あかし〗(名詞)


あかし】⚠  #1,631

 〈ともとびによるあかり〉〈あかりを得るための器具〉の意。

 {灯火あかし}だと思っていたら、どうも〔灯〕には〈燃えさかる火〉の意、〔火〕もまた同様であり、〈照らすもの〉の意は無い模様。

 一般に〔燈〕は〔灯〕の旧字とされているが実際には別字で、{}との音が同じである事から当て字されたに過ぎない。


あかし】⚠  #1,632

 〈正しさを認めさせる根拠となるもの〉〈身分などを示すもの〉の意。

 原語は〈かし〉。

 なお{あかし}という読みは常用漢字表に載っていないので注意。



━─━─ № 8-7 (1,360) ─━─━

  〖しののめ〗(名詞)


しのの】⚠  #1,633

 〈しのかごの目〉の意。

 転じて〈あかしを覆うしのかごの目から漏れる光〉の意。


東雲しののめ】⚠  #1,634

 〈東方の空に掛かる雲からのぞく陽の光〉の意。

 転じて〈朝日〉〈夜明け〉の意。

 〈夜明けに差し掛かってあかね色に染まってゆく空〉との意の漢語「とううん」に、[しのの]の読みを当てた熟字訓。



━─━─ № 8-9 (1,362) ─━─━

  〖にびしい〗⛏(形容詞)


にびしい】⚠⛏  #1,635

 〈感覚などかするどくない〉〈はっきりせずよくわからない〉の意。



━─━─ № 8-11 (1,364) ─━─━

  〖かんぷなきまで〗(成句・副詞)


かんまで】⚠  #1,636

 〈傷のない皮膚が存在しないほどまでにてっていして痛めつけられて〉の意。

 ひでえ状態だ。



━─━─ № 8-13 (1,366) ─━─━

  〖おおごと〗(名容詞)


おおごと】⚠⛏  #1,637

 〈大きな事件〉の意。

 受動しょうについてう。


おおごと】⚠⛏  #1,638

 〈重大な事柄〉の意。

 能動しょうについてう。


おおごと】✗  #1,639

 「だい」と紛らわしいため[おおごと][おおごと]を遣うことをすいしょうする。



━─━─ № 8-15 (1,368) ─━─━

  〖びっくり〗(名容詞)


びっくり】⚠⛏  #1,640

 〈突然の事や意外な事に驚くさま〉の意。


吃驚びっくり】⚯✗  #1,641

 同義のため[びっくり]を遣うことをすいしょうする。

 なお〔吃〕は〈どもる〉の意。



━─━─ № 8-17 (1,370) ─━─━

  〖ひどいはなし〗⛏(成句・名詞)


ひどはなし】⚠⛏  #1,642

 〈なんかアレな話〉の意。

 わざわざここに掲載する必要あるかという異論は、これを認めない。



━─━─ № 8-19 (1,372) ─━─━

  〖まじ〗(名容詞)


】⚠⛏  #1,643

 〈正面から向かい合うさま〉の意。

 転じて〈まとも〉〈正気〉〈本気〉〈本当〉の意。


】⚠✗  #1,644

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈本物の顔面〉のような意となるもので、これ単体では〈正気〉〈本気〉などの意思を指す意味合いを持たない。



━─━─ № 8-21 (1,374) ─━─━

  〖わん〗(名詞)


わん】⚠  #1,645

 〈深みのあるふたなしの器〉の意。


わん】⚠  #1,646

 〈深みのあるふたつきの器〉の意。


わん】⚠  #1,647

 〈陶磁器製のわんわん〉の意。


わん】⚠  #1,648

 〈木製のわんわん〉の意。


わん】⚠  #1,649

 〈金属製のわんわん〉の意。



━─━─ № 8-23 (1,376) ─━─━

  〖ゆっくり〗(名容詞)


ゆっり】⚠⛏  #1,650

 〈ゆとりを持っているさま〉〈急いだり慌てたりしないさま〉の意。

 転じて〈通常と比べて低速に動作するさま〉の意。



━─━─ № 8-25 (1,378) ─━─━

  〖りゅうりょうぜん〗(名容詞)


りゅうりょうぜん】⚠  #1,651

 〈声や音色がとても美しいさま〉の意。

 なお[りゅうりょう]は〈管楽器の音などがすみわたっているさま〉の意。



━─━─ № 8-27 (1,380) ─━─━

  〖すらり〗(副詞)


すらり】⚠⛏  #1,652

 〈長くほっそりとして見た目がよいさま〉〈しなやかなさま〉の意。


すらり】【らり】⚠⛏  #1,653

 〈引っ掛かりのないさま〉〈抵抗感がないさま〉の意。



━─━─ № 8-29 (1,382) ─━─━

  〖しらあい〗〖しろあい〗(名詞)


しらあい】【しろあい】⚠  #1,654

 〈ごく薄いあい色〉の意。

 実際にどんな色かについては〝続きはWebで〟。



━─━─ № 8-31 (1,384) ─━─━

  〖くるくる〗〖ころころ〗(サ変名容詞)


くるくる】⚠⛏  #1,655

 〈つぶらなさま〉〈小さくまるいさま〉〈まるくてかわいいさま〉の意。


くるくる】【ころころ】⚠  #1,656

 〈円運動や回転運動を繰り返すさま〉の意。



━─━─ № 8-33 (1,386) ─━─━

  〖いとけない〗(形容詞)


いとけない】⚠  #1,657

 〈幼く小さい〉〈あどけなくかわいい〉の意。

 原語は〔いとし〕。



━─━─ № 8-35 (1,388) ─━─━

  〖うろたえる〗(ワア下一段動詞)


うろえる】⚠⛏  #1,658

 〈不意をつかれ驚き慌てる〉〈取り乱す〉の意。


狼狽うろたえる】⚠⛏  #1,659

 語義不明であるため遣うことをすいしょうしない。

 実のところ「ろうばい」の語源はおろか、〔ベイ〕の字義すらはっきりしない。

 少なくとも、俗にわれる〝〔ラン〕とセットの動物〟との説には疑いが持たれている。



━─━─ № 8-37 (1,390) ─━─━

  〖うぶ〗(名容詞)


初心うぶ】⚠  #1,660

 〈ういういしく世間ずれしていないさま〉の意。

 語源は〔うぶ〕。



━─━─ № 8-39 (1,392) ─━─━

  〖うるさい〗(形容詞)


うるさい】⚠  #1,661

 〈わずらわしい〉〈音が大きく邪魔である〉の意。


五月蝿うるさい】⚯✗  #1,662

 語義不相応の場合があるため遣うことをすいしょうしない。

 〝「五月ばえ」がうるさい〟ことによるが、北海道や沖縄、南半球などにおいては成立しない。



━─━─ № 8-41 (1,394) ─━─━

  〖むき〗(名容詞)


】⚠⛏  #1,663

 つまらない事でわざわざ本気になる〉〈激情に駆られ冷静さをなくす〉の意。

 原語は〔むき〕。



━─━─ № 8-43 (1,396) ─━─━

  〖ふるふる〗〖ぶるぶる〗〖ぷるぷる〗(名容詞)


ふるふる〗〖ぶるぶる〗〖ぷるぷる】⚠  #1,664

 〈体などが震えるさま〉の意。



━─━─ № 8-45 (1,398) ─━─━

  〖かく〗(カ五段動詞)


く】⚠  #1,665

 〈割れて抜け落ちがある〉の意。

 転じて〈物の一部がそこから割れて抜け落ちる⦅抜け落ちた破片が主体⦆〉の意。


く】⚠  #1,666

 〈物から一部が割れて抜け落ちる⦅抜け落ちた跡の空虚が主体⦆〉〈不足させる〉の意。

 なお〔欠〕の字義は〈あくび〉で、〔缺〕の字義がこれに混同されたのは、使用ひんのわりに字体が複雑すぎる事による便べん上の集約であって、基本それぞれ別字義の別字。



━─━─ № 8-47 (1,400) ─━─━

  〖いかめしい〗(形容詞)


いかしい】⚠⛏  #1,667

 〈常にたたずまいをいからせるかのように人にこわい感じを与えるさま〉〈威圧的なさま〉の意。


いかしい】⚠  #1,668

 〈おごそかで厳格そうな感じを与えるさま〉〈様式が重視されて息苦しいさま〉の意。

 語源は[いかしい]。


☞ イカ飯っぽいわけではない。



━─━─ № 8-49 (1,402) ─━─━

  〖すこぶる〗(ラ五段動詞)


すこぶる】⚠  #1,669

 〈ほんの一部にわっと押し寄せる〉〈かたよる〉の意。

 転じて〈その方面ではなはだしく成る〉の意。

 組成は〔る〕であり、これは動詞であるため、副詞として用言へ接続する場合には{すこぶる}ではなく{すこぶり}{すこぶって}と連用形に活用されるべきではないかと思われる。



━─━─ № 8-51 (1,404) ─━─━

  〖だま〗(サ変名詞)


だま】⚠  #1,670

 〈本物のように見せ掛けてかわりに用いる似せもの〉〈お前らの大好きなラーミィェンめんのお替りをすること〉の意。

 〔玉〕は〈宝玉〉の意で、ここでは〝一定の価値のある人物〟を指すもの。

 なお、本来ならめんの塊は〔たま〕とうべきだが、もしかしたら神格化を目的としてあえて〔たま〕を用いているのかもしれない。

 つまり「ラーメン」とは〈宝玉〉の事だったのだ! ナ、ナンダッテー!(


だま】⚠✗  #1,671

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈主義転向〉〈かいらい〉のような意となる。



━─━─ № 8-53 (1,406) ─━─━

  〖ふりかえる〗〖かえりみる〗(ラ五段動詞)


かえる】⚠  #1,672

 〈身をひるがえして後方を向く〉の意。


える】⚠  #1,673

 〈役の割り振りを変更する〉〈代行させる〉の意。


ふりかえる】【かえりみる】⚠  #1,674

 〈過去の行動を思い出す〉〈他方の様子をうかがう〉の意。


ふりかえる】【かえりみる】⚠  #1,675

 〈過去の行動をぎんする〉の意。



━─━─ № 8-55 (1,408) ─━─━

  〖あざとい〗(形容詞)


あざい】⚠  #1,676

 〈おふざけっぽい〉〈幼ったらしい〉〈浅薄である〉の意。


ざとい】⚠⛏  #1,677

 〈わるだくみにけている〉の意。

 転じて〈押しが強い〉〈ぎつい〉の意。


小聡明あざとい】✗  #1,678

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈賢そうで賢くない少し賢い(⁉)〉のような意となる。



━─━─ № 8-57 (1,410) ─━─━

  〖つくづく〗(副詞)


つくづく】【つくづく】【つくづく】【くづく】⚠  #1,679

 〈精神を集中して〉〈じっくり思いを込めて〉の意。

 〔く〕との原語を一字集約したものであるため{同の字点}は付かない。



━─━─ № 8-59 (1,412) ─━─━

  〖だまくらかす〗(サ五段動詞)


だまらかす】⚠⛏  #1,680

 〈いいようにだます〉の意。

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