第17話 体育祭 その1
体育祭当日となった。
昨日はいつもより早く寝たこともあり、今日の目覚めはとても良い目覚めだった。
スマホを見ると、柚花から「おはようございます。今日一緒に朝ごはん食べませんか?」とメッセージが届いていた。
珍しいなと思いながら「おはよう!じゃー朝ごはん準備しちゃうね」と返信をしておく。
毎朝の習慣を終わらせて朝ごはんを2人分作っていると、玄関からドアの開く音が聞こえてきた。
柚花が入ってきたのだろう。
「おはようございます。あの〜これ、どうぞ」
リビングに入ってきた柚花は一言僕に言ってから何かナプキンで包まれたものを渡してきた。
「おはよう……それで、これは?」
と言うか今日の柚花可愛すぎないか??
いつもおろしている髪は少し高めの位置でポニーテイルになっている。
制服を着ているから少ししか見えないが体育着なんて着たら、うなじモロ見え間違いだろう。
「これは……お弁当です。凛くんのも作ってきました」
お、お弁当だと……女子からお弁当なんて現実世界でもあり得るんだな。
なんて幸せなんだ。
「ありがとう。でも大変だったでしょ」
「そんなことありませんよ、いつも作っているので……」
いつも……作ってる?
柚花はいつも他の人にお弁当を作っているのか?
「いつも作ってる?誰かの分も?」
「違います、違います。自分の分を作ってるので多少量が増えても変わらないってことです」
「あーそう言うことね」
よかった……一瞬焦ってしまった。
柚花が他の人に毎日弁当を作っていると思ったから。
ん?なんで焦っているんだ?……。
「凛くんには朝ごはんを作ってもらっているのでお互い様ですね。ありがとうございます!」
「どういたしまして!できたから食べちゃおっか」
「そうですね!」
柚花と一緒に朝ごはんを食べるのはこれが初めてではないのだが、毎回一緒に食べるのもいいなと思ってしまう。
朝ごはんすらも一緒に食べると、ほぼ同棲となってしまうのだが……。
「朝ごはん、一緒に食べるのってなんかいいですよね」
本当に聞こえるか聞こえないかと言うぐらいの声で柚花が呟いた。
「ふふっ」
同じことを思っていたことに僕は思わず笑ってしまった。
「どうしたんですか?急に笑って」
柚花は自分が声に出して言っていることに気づいていないみたいだ
「今、柚花、心の声漏れてたんだよね。それで僕と同じこと考えてるんだなって思ったら笑っちゃった」
「え?本当ですか?」
「クッ……うんうん」
「うぅ、すごく恥ずかしいです……。もう、そんなに笑わなくてもいいのに……て、今僕と同じって言いました?」
「あ…… 」
笑っていて気づかなかったが僕自身も言っていたみたいだ。
「ふふ、そうですか、そうですか。しょうがないですね〜これからは一緒に食べますか?」
「まぁ、食べてあげてもいいけど??」
「「ふふっ」」
2人で冗談を言い合いながら、これから朝ごはんも一緒に食べることが決まった。
僕が2人分の朝ごはんを、柚花が2人分の弁当を作るということで話はまとまった。
「そろそろ行こうか。今日少しだけ早く行かなきゃいけないし」
「そうですね。今日って凛くんの学校の方でやるんですよね?」
「そうだね。今年は体育祭が僕の方で、文化祭がそっちみたいだね」
僕と柚花の高校は行事を一緒に行う関係で、毎年体育祭と文化祭の会場ら交互に学校を使うことになっている。
来年の体育祭は柚花の方の学校を使うことになるだろう。
学校に着き一旦教室へ向かうと、男子たちの気合の声が聞こえてきた。
「今日は最低1人以上は連絡先聞いてやるぜ!」
「俺は目標10人だな」
「そんなにいらねーだろ」
(もう体育祭よりもそっちメインになってるじゃん)
心で呟きながら自分の席に座り、今日の柚花は色んな意味で忙しい日になりそうだな、と思うのであった。
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17話読んで頂きありがとうございます!
ついに体育祭当日です。
怪我しないように頑張ってほしいですね。
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