第16話  体育祭前日

 変わらず映画館に遊びに来ていた僕と柚花はいつもより早く家に帰ることにした。


 今は帰り道のスーパーで夜ご飯の材料を買いに来ているところだった。


「今日の夜は何にしますか?」


「そうだな……昨日は肉食べたから魚だよね?」


「そうですねバランス的にはその方がいいかと」


「刺身とか買って帰って海鮮丼とかにする?」


 なんとなくそんな気分だった。


「お!いいですね!それなら、明日の食材も買っときますか。荷物も軽そうですし明日のこともあるので」


「そうだね。明日はバイトはないけど1日体動かすもんね」


 明日のバイトはお休みをもらっている。

 僕は一種目しか出ないためそこまで疲れることはないと思うが……柚花の方はなんと5種目も出ないといけないとのこと。

 明日は僕が夜ご飯を作ることにする。

 ……と言うか柚花、運動もできたんだな。




 そう言えば5種目って何に出ればその数になるのだろう。

 気になった僕は買い物終わりの歩いている時に聞いてみることにした。


「柚花、体育祭の出場種目が5種目って言ってたけど、何に出たらそんな数をやらされるの?」


「あれ?言ってませんでしたっけ?私個人として出るのは3種目で、100m走、障害物競走、色別代表リレー。後の2種目はクラス全員で行う、クラス対抗リレーと騎馬戦ですよ」


「そう言う事か……って今、気づいたけどそれなら僕も3種目だ。柚花と同じくクラス対抗リレーと騎馬戦があったよ。最悪だ」


「ふふ、本当に嫌そうですよね」


「そりゃー嫌だよ。誰かと協力とか心配事が増えるだけだし」


「私とはこんなに協力できるのですけどね……不思議です」


 僕もそれは不思議に思っている。

 類は友を呼ぶと言うべきかなんと言うか……


「なぜだろうな……出会った当初はともかく今は不思議と柚花と一緒に居たいと思ってしまうよ」


「ふぇ???」


 そう言って柚花を見ると柚花は顔を赤くして僕の顔を見ていました。


「ど、どうした?そんなに顔を……」


 赤くして、と言おうとした僕は今の言葉が失言だったことに気付いた。


「凛くん!」


「は、はい!」


 自然と僕の背筋は伸びます。


「凛くんのことは大体理解していますし、何を言いたかったのかもわかります。ですが、不意打ちはやめてください。心臓に悪いです」


 それだけ言ってまた歩き始めてしまった。

 え……それだけ?

 もっと引かれるのかと思っていたので意外だった。


 柚花の言い方だと、不意打ちでなければまた言っても構わないみたいに聞こえるのだが、僕がこの失態を繰り返すわけがないので二度目は来ないだろうと信じたい。

 先に歩く柚花に追いつき明日のことに付いて色々話しながら家に向かうのであった。



 その後、家に着いた僕たちは2人で海鮮丼を食べ、いつもより早めに解散をし、寝ることにした。







 ここだけの話なのだが、体育祭の唯一の楽しみは柚花の体育着姿である。

 柚花の外行きで体育着姿はアニメ好きな僕からしたら一度は目に焼き付けておきたいものだ。


 絶対に美しいんだろうな……


___________________________________________

16話読んで頂きありがとうございます!


結構飛んだ感あったかなと思いつつ次はいよいよ体育祭に入ります。


応援、コメントいつもしてくださりありがとうございます!

とでも励みになっております。


小説のフォロー、レビュー、して頂けたら嬉しいです。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る