第11話 バイトについて
バイトが終わり、家に帰ったら柚花がキッチンで夜ご飯を作ってくれていた。
「ただいま……珍しいな僕よりも早いなんて」
いつもならバイト終わりは僕の方が早いのだが……
「おかえり。うん……まあね」
どうしたのだろうか。
元気が無さそうだ。
とりあえず手洗いうがいをしに行き、夜ご飯を食べている時にでも聞いてみようと思った。
今日の夜ご飯のメインは、もも肉を甘辛く味付けしたもの。
それに加えてお味噌汁、ご飯、焼き鮭が用意されていた。
もも肉にかかっているタレはとてもご飯と会うため僕は好きだった。
「すいません。今日は買い出しに行けず冷蔵庫にある物で作りました」
「何言ってるんだよ。作ってくれただけでも嬉しいよ。ありがとう」
「そうですか」
本当にどうしたんだろうか……
改めて夜ご飯を食べ始めたので聞いてみることにした。
「何かあった?」
「凛くんは何かあったように思いますか?」
「まぁ〜ね。元気ないし」
「そうですか。実は……今日アルバイトやめてきたんです」
お?何というタイミング!
「どうして??」
「それは……私のことを変な目で見る男の子が入ってきたからです。2日ぐらいは我慢してたんですけど、ロッカーで着替えようとした時に他のバイトの子と連絡先聞いてみようかなって言ってるところを聞いてしまって、そう言うのめんどくさかったんです……」
あ〜忘れてた……柚花はそういう人だったわ。
極度の男嫌い、美奈とそっくりだ。
どうして僕の周りの女子は(2人しかいないけど)男嫌いなのだろうか……そしてなぜ僕だけ大丈夫なのか。
もしかしたら男とすら見られてないかもしれないな。
「そんな落ち込むな柚花よ!いい話があるぞ!」
早速バイトの話をしてみることにした。
「なんかその言い方とても危ない話に聞こえますけどね」
「まーまーとりあえず聞いてくれ。僕のバイトは喫茶店だって知ってるだろ?」
「はい」
「実はそこの喫茶店って僕の母方のお婆ちゃんが経営してて、働いているのも僕と僕の従姉弟にあたる大学一年生の美奈だけなんだ」
「なるほど……」
「で、最近もう1人だけ雇おうって話になってて、美奈は男が嫌いだから女子がいいって言ってるんだ。だから今日、柚花をダメ元でも誘って見ようかなって思ってたんだよね」
どうだろうか……これでやると言ってくれたらものすごく助かるのだが。
「そのアルバイトやらせてください。最近夜ご飯を一緒に食べることも多くなって来ましたし、時間が一緒になると言うのは助かりますので」
「やったね!!確かにそれもあるな!じゃー早速今日連絡しとくから明日面接してもらおう!」
「はい!!よろしくお願いします!」
柚花の元気も戻ったし、バイトの人員も1人、しかも知り合いから増えたしで最高だな!
いつも美味しいが今日は格段とご飯が美味しく感じるよ!
「柚花、今日も美味しいご飯をありがとう!」
僕が、そうお礼を言うと、
「こ、こちらこそ、ありがとうございます」
少しだけ顔を赤く染めながら、柚花もお礼を言うのであった。
これからバイトが楽しくなりそうだ!
でも、これだと2人で水曜日休むことはできなくなるかも??
まぁーそれは今度しっかり話し合うことにしよう。
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11話読んで頂きありがとうございます!
もうこれからは2人でずっといることになりますね。どんどん2人だけの世界が出来上がっていきます!
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