とにかく文章に惚れ惚れ。高校生の時の何とも言えない、不満や不安がきちんと描かれています。大きな事件や事故は起こらずとも、日常を描く様から自分の過去を思い出すような感覚を味わえます。そして疎遠になっていた幼なじみとの距離感が非常に良いです。幼なじみの他にも、それほど知らない取り巻きが二人ついてきますが、こちらとの距離感も絶妙です。仲が良いわけではないけど、そういう様子を取り繕うところなどは、自分の過去にも同じ状況を見つけることができます。青春時代を振り返ることのできる本作をぜひ!