第25話 イクべきかイかざるべきか


 声の主は、ハーレムへ向かう途中のガチ変態ロリ王だった。


 王は目をこすり、もう一度、黒髪の幼な子を見る。


「いや、人の子か……そなた、白雪か?」


 白雪は戸惑いながらも、大きな瞳は王に向けたまま、小さくうなずいた。


「そうか……大きくなったな。私を覚えているか?」

「お、お父さま……?」

「そうだ。いや、すまない。お前がとても友に似ていて」

「お友だち?」

「ああ……本当にそっくりだ」


 幼児体型の妖精・ティンティンの粉をたっぷり練り込まれた受精卵は、粉の持ち主と瓜二つの子供をこの世にもたらせていた。


 5歳になったばかりの少女は、本来ならば、まだ変態王の食指しょくしが動く年齢ではないはずだった。


 しかし、あまりに初恋の妖精に似たその容姿に、王は我が子であるというタガを忘れた。


 ハーレムに行く前だったというタイミングの悪さも重なり、王は鼻の下の本能に従う。


 おもむろに腰を下ろして白雪と視線を合わせた。


 肩でカールする黒髪をで、薄くピンクに染まる頬に触り、ぽっこりと突き出た腹に微笑み、もちっとした足首に鼻息が荒くなる。


 そして、幼い我が子を抱き上げて城に戻った。


 ハーレムに行ったとばかり思っていた家臣は、王に抱かれた白雪の姿に驚いた。


「白雪姫! こんな森の近くに……」


 てっきり迷子になった白雪を保護したのかと、家臣はハーレム行きを邪魔したことをびながら姫を引き受けようとした。


 しかし、王は白雪のもちもちの尻を腕に感じながら、すでに鼻の下をびろ〜んと伸ばして、一言、言い放った。


「一緒に寝所にまいる」


「えっ」と顔を上げた家臣をかえりみず、王は我が子を抱え、スタスタと寝所に向かう。


 家臣は、いくら変態といえども、あまりにも幼い、しかも血を分けた我が子にブチまけようとするなど、ついに乱心したのかと取り乱す。


 そして、これを止められる唯一の人の元へ走った。


 侍女の制止を振り払い、ベッドにす王妃に助けを求める。


「王様が黄金の姫を……白雪姫を!」


 王妃はこんな日が来ることを恐れていた。しかし、まだ我が子は5歳であり、王のストライクゾーンには及んでいないと思っていた。


 しかし、青天の霹靂へきれきに打ちのめされている場合ではない。


 王妃は衰弱する体に鞭打って、侍女の肩を借りながら白雪の元に足を早めた。






「ここ、お父さまのお部屋? なんだか、来たことある……」


 白雪は王のベッドの上でクッキーを頬張っていた。


「おお、覚えていたか。お前は賢いな」


 王はそう目を細めながら、もう一枚、クッキーをすすめた。


 以前はハーレムの中だけで少女たちをおかずにしていれば気が済んでいたが、王妃の純白のパンティに放出して以来、気に入った少女に真っ白なパンティを履かせて、鼻の下をびろ〜んとするのがお気に入りになっていた。


 ハーレムで美少女たちに気づかれないようにシていた時は誰もなにも言わなかったが、ベッドに連れ込むようになってからは、これは完全に性犯罪ではないだろうかと議論する家臣も現れていた。


 しかし、しかしである。ハーレムに入れただけでも美少女決定なのに、王の寝所にまで呼ばれた美少女は文字通り高嶺の花として扱われた。


 月のモノが始まっていないとはいえ、少女のなかには家族からベッドに連れ込まれるように仕込まれた乙女もおり、完全に女の顔で無垢むくな子供を演じている者もいた。


 これは同意の上と言えるのではないだろうかと、未成年であるという議論は横に置かれたまま、美少女産業は続けられていた。


 王はもぐもぐとクッキーを頬張る白雪を舐めるように見つめた。


「お前は我が友にそっくりだ」

「わがとも?」

「そうだ。さあ、横になって」

「どうして? まだ眠たくない」

「いい子だから。さあ、言うことをきいて」

「はーい」


 白雪がパタンと後ろに寝転がると、王はめくり上がったスカートに手をかけた。


 そして、鼻の下に手を当てながら、そっと中を覗く。


 そこには純白の……ではなく、ピンク地にオレンジのカボチャが散りばめられた、それ、どこで買ったの? と、悪い意味で聞かれそうながらパンが目に飛び込んで来た。


「カボチャ柄⁈」

「うん。お母さまが作ってくれたの。可愛いでしょー」


 白雪は無邪気にスカートをへそまでまくり上げる。


「いや……あ、うん、可愛いくも見えなくもないが……お前には、このパンティのほうが似合うぞ」


 王は純白のパンティを引き出しから取り出した。


「お母さまが白はダメだって。汚れが目立つからだって」

「汚れ⁈」

「うん、お洗濯してくれる人のことも考えなくちゃ、良い王様になれないって」

「王様⁈ お前は王になるつもりなのか?」

「うん! 強くてカッコいいの! 悪ものをえいやー!って倒すんだー」

「お前は女の子だろう!」

「うんっ、だから男の子の格好をするの! お父さまのことも守ってあげるね!」

「い、いや……」


 並の父親ならば、お転婆娘に頭を悩ませながらも目を細めるのだろう。


 しかし、今日、一発も抜いていないガチ変態ロリ王の鼻の下は引くことを許さなかった。


 もう一度、カボチャパンツを覗き見る。


(これでイケそうか? いや、見れば見るほど萎えてくる。では、足首ではどうだ? お、イケるかも……しかし、赤ん坊すぎるな)


 自問自答を繰り返す。


 ハーレムに戻ればドストライクの少女がたくさん遊んでいる。


(戻ろうかなぁ)


 そう思い始めた時、重い扉がバンッと力いっぱい開かれた。




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