第21話 黄金のハナクソ
それを、白目を
タンポは必死に肘の内側をポリポリとかく。
舞い落ちる妖精の粉が減ってくると、次は首の後ろをボリボリとかいた。
金色の妖精の粉が降りかかったティンティンの頬は赤みを帯び、だらしなく
タンポは親友を救おうと必死で首をかきむしる。粉が減ると、今度は両手を髪に入れ、頭を下げてガリガリと頭皮をかきむしった。
「え、フケ? 妖精の粉って
家臣の失言に、親友が死んだら火あぶりにしてやると心に決めながら、タンポは必死に尻をかき、足の裏を
そのかいあって、降りかかる黄金の妖精の粉はティンティンの光を取り戻していく。
ほんのり全身が赤みを帯び、ついにティンティンは目を開いた。
力なく体を横たえたままだが、友の、腕をかきむしった
「……ありがるん」
「ティンティンが “おティンティン” になっちゃったんだね」
「うん。アタイが “タンポン” にされちゃった」
二人はふふっと笑い合う。
タンポは、妖精を死にいたらしめたら人間界にどんな
家臣は「お約束します!」と、姿勢を正して頭を下げる。
王は、やっと会えた愛しのティンティンが具合が悪そうなのを見て、家臣になにをやらかしたのか尋ねた。
とたんに家臣の顔が青くなる。
あなたがガチの変態だからとは、とてもじゃないが言えない。
王家の血筋のためにと打首を覚悟して
答えられないでいると、タンポに抱かれたティンティンが弱々しい声を出した。
「もうすぐ、私たちに似た可愛い赤ちゃんが生まれるのね。私の代わりに幸せにしてあげてね。あなた……私のこと、忘れないでね」
え、最期の言葉⁈ 死ぬの⁈ と、家臣が人類にどんな災いが降り注ぐのかと
「なに言ってんの。ほら、フェアリーグランマザーに妖精の粉をたっぷりかけてもらわなくっちゃ。行くわよ」
「イヤじゃ〜。あのババァ、前に鼻くそ投げてよこしたのだ〜。ババァの鼻くそ浴びるくらいなら、ここまま天国に一番近い島に行くのだぁ〜!」
「そこ、天国じゃないし。ってか、天国に行けると思ってるの⁈ まったく、なにをすれば鼻くそなんて投げつけられるのかしら」
「
ティンティンは思い出してクックっと肩を揺らす。
「で、982体目で気を失った〜」
「
「あ〜、ババァって言ってたって言い付けてやる〜」
「そんなことフェアリーグランマザーにはお見通しよ。ほら、立って。黄金の鼻くそを浴びに行くわよっ」
「ダッフンダ〜」
親友の肩を借りて立ち上がる幼児体型の妖精を、ガチ変態国王は呼びとめる。
「待て、どこにも行ってはいけない。
ティンティンは肩越しに振り返る。
「ああ、あなた! ごめんなさい。アタイは行かなくちゃならないの。また、いつか……きっと、また、いつか2人が祝福される時代がくるわ。その日まで……また、いつか」
ティンティンはもちもちの手で投げキッスを贈る。
おぼつかない足取りで立ち去る後ろ姿を見送りながら、王は、その、ぼてっとした尻と
その後、家臣と侍女の
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