2.男の覚悟
「・・・失礼ながら、こちらのクエストはEランクの方の単独では難しいと思われます」
「・・大丈夫だ。任せてくれ」
男は自信満々に言い放った。・・・少なくとも、そう言おうとはしていた。
「・・・・・わかりました。クエストの申請を受諾します」
「・・・ありがとう」
こうして男は、「おそらく最期になるであろう」クエストに向かった。
早急に大金が必要な男が取った行動は、このようなものである。
「自分が受けられる範囲で最も高難易度、高報酬のCクラスのクエストを受ける。
・・・そして、自分が倒れた際の「保険金」を家族に使ってもらう。」
冒険者は危険と隣り合わせなため、冒険者ランクと死亡理由に応じた「生命保険」が存在する。
原則、高ランクのクエスト受注時に支払われる額は大きい。
無論、男だとてただ死ぬ気はないが、十中八九こなせるクエストではない。
「俺にできるのはこのくらいだよな・・・」
見届ける者はいないが、せめて最期くらい華々しく散ってやる。とばかりに勢い込んでいると、
「・・・そこの兄さん、あんた死ぬ気だね?」
怪しい黒フードの男に呼び止められた。
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