第33話

2035/11/25(日)  午後九時三十分 邸宅・客室ロビー 長良ながら折神おりがみ加藤かとう・ウィル・ラウ


「番は昨日のままでいこう、先が俺と折神、後が加藤さんとウィルとラウ」と俺がいった。


「では先に寝ておくが、何かあったら叩き起こせ!」と加藤さんがいう。


「香織には、藍の直衛に回ってもらおう」と俺はいった。




2035/11/25(日)  午後九時三十分 邸宅・C号室 アイ香織かおり


「お部屋壊れちゃったね、私の部屋で一緒に眠ろっか」と香織さんがいった。


「着替え取ってきます」と私がいうと「私も付いて行くよ、危ないのは一度だけにしておこう?」といわれたので一緒に行くことになって無事、全ての荷物を取って来れた。


「お風呂まだでしょう、私は入った後だから」といわれたのでお風呂からになった。




2035/11/25(日)  午後九時四十分 邸宅・C号室 香織


 ノックの音がしたのでまずTVホンで室外を見た、長良さんだったので直接ドアを開けると「情報共有しておこうと思ってな、というのと香織には藍の直衛を頼みたい」といわれた。


……


 情報共有のほうはつつがなく終わった。


 今晩襲撃があるらしいで十分だった、あとは検非違使が敵の本拠を押さえに今日動くということだった。


 検非違使の特殊作戦は基本的に、軍のそれとは異なるのだ、案件を持った課が主となり、その場所を持った課が副となり、作戦行動をするようにできている。


 今回は八課案件で場が七課なのだ、いつも通りなら共同戦線を張ると考えられた。


 それそのもの不安はない、カチコミ部隊はうまくやるだろう。


 問題はカチコミを受けている敵がどれくらいの戦力を出して、私たちを襲撃するのかだ。




2035/11/25(日)  午後十時十分 邸宅・C号室 アイ香織かおり


 香織さんは私が上がってくる前に、窓を厳重に封印したようだった。


 香織さんは紺の夜着ネグリジェに着替えていた、体の線が少し出るくらいだが何か付けているのか若干厚めだった。


 香織さんが寝る側に、黒いケースが置かれていた、武器であるとのことだが中身は教えてもらえなかった。


 昨日同様二十三時に寝るということで落ち着いた、だが今晩襲撃があると事前に教わった。


 襲撃自体は怖いが、事前に聞けて良かったと私は胸を撫で下ろした。


 何も聞かされないまま、本番なんて怖すぎる、と私は思った、そのための武器なのだろう。


 そして私たちは軽い眠りについた、香織さんがドア側、私が壁側という配置で寝たのだった。



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