第19話

2035/11/25(日)  午前七時 セーフハウス・リビング 長良ながら折神おりがみ加藤かとう・ラウ・ウィル


「夜に襲撃は無かった、まあこっちから振ってみないといかんかもしれんが、それは今はリスクが高すぎる。せめてVDヴァイオレット・ディスクのありかが分かるか、壊せてからでないと」と加藤さんがいう。


「俺らはとりあえず昼まで寝とくわ」とラウさんがいった。


「分かった、昼飯は豪勢に行こう」と俺は答えた。


「その間に情報を取っときますよ」とウィルが答えた。




2035/11/25(日)  午前七時半 セーフハウス・キッチン 長良・折神


「さてお嬢さんが起きる前に朝の下ごしらえして、八時に出来上がるように作りますか」と俺はいった。


「俺も手伝いますよ、サンドウィッチでしょう。下拵えは、任せてください」といいながら手際よく中に入れるツナと卵を作っていきレタスを綺麗に取る。


「俺もやるか、こいつは特製だからな」といいながらローストビーフの塊を取り出し薄くスライスしていく、当然特製ダレだ。


「下拵えも二人ですると、四人前なら直ぐにできるな」と俺がいった、付けダレではない漬けダレである、少々特殊なつくりでタレを保持するように作るのである。


 そして時間に向けて人数分挟んで軽く、パンが死なない程度に圧着させてやるのだ。


 そして切り取ったパンの端を、短く切ってしてからカラッと揚げる、そして砂糖漬けにすることも忘れない、ラスクのできあがりだ。


 そして今日はスクランブルエッグを作りケチャップを隣に添える。


 紅茶を淹れるのを折神に任せ、皿に並べるのも任せると、お嬢さんたちを呼びに行く、もう起きているころであろう。




2035/11/25(日)  午前八時少し前 長良さんの隠れ家・客室前 アイ香織かおり


「香織さんおはようございます」と朝の挨拶をする、すると「藍、おはよう、よく眠れた?」と挨拶と質問が上がって来た「はい、ぐっすり眠れました。皆さんが居ると安心できて」と答える。


「良かった」と笑顔を返してくれた。


 今日の香織さんは黒系のブラウスに黒赤系のチェックのスカートで決めていて、足回りも黒系で決めていて綺麗だった。


 私は昨日買った、水色デニム地のワンピースだった。それに紺のハイソックスで足元は固めてある。


 もう朝ごはんのいい匂いが漂って来ていた、今日はなんだろう。


“ピピッ”と電子音がして時計が八時を知らせた。


 長良さんが迎えに来た「朝食できたぞー」と爽やかな笑顔だ。


 そして香織さんと二人で長良さんの後を付いて行くのだ。




2035/11/25(日)  午前八時 長良さんの隠れ家・ダイニング 藍・香織・長良・折神


 とてもいいにおいが充満している。


「サンドウィッチとスクランブルエッグにパンの耳のラスクだ後、紅茶はダージリンティーにしてある」と長良さんがいった。


「加藤さんとラウさんは今寝ている、ウィルも仕事中、部屋で食べるそうだ」と追加情報を並べる。


「さあ食べようか」と長良さんがいった。


「いただきます」と四人でいって、食べだした。


 おいしい、とても……スクランブルエッグのホワホワ感もサンドウィッチのしっとり感も好み、パンの耳のラスクはみんなの中央にうずたかく山盛りになってる、そのラスクも甘くておいしいもちろん紅茶もしっくりくる。


 それにみんなが居るから美味しく感じるのかな? でもこういう日常もいいな。


 やっぱり私は食べるの遅いな、男性陣二人は速いとしても、香織さんもかなり早いほうだ。


 香織さんが笑顔で「食べるのは遅くてもいいのよ、美味しく食べればいいんだから」とフォローしてくれた。


 男性陣はおかわりの紅茶をゆっくりと飲んでいる、たしなみだというように。


 私も美味しく食べ終わった「ご馳走様でした」という。


 それを待っていたかのように男性陣二人が手分けして、綺麗なコンビネーションを見せ片付け、洗いを熟していく。


 あっという間に片付けも終わってしまった。


 これで食洗器を使っていないというのだから驚きだ。

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