第14話
2035/11/24(土) 午前十八時 長良さんの隠れ家・リビング
それから少したった、加藤さんとラウさんとウィルさんは調べるものがあるということで部屋に篭っている。
「夕食で食べたいものがあれば腕によりをかけて作るぞ」と長良さんがいった。
その時だった、折神さんが長良さんにハンドサインを送った。
「尾行か、なぜここが、いや逆か、アイツから割れた可能性があるな。折神そっとカーテンを引いてくれ」とキッチン側に行こうとしていた長良さんがいった、表情は厳しめだ。
「何人だ?」という長良さんに、カーテンを引き終わった折神さんが「五人はかたいな」と答えを返した。
「仕方ねえ眠ってもらって、まあ様子を見るか」といっておフダを取り出して念じた今度は猫だった。
凛々しい三毛猫を抱えるとキッチン側に持っていった。
戻って来た時には手には何も抱えていなかった。
そのまま、おフダを持ち念じている。
「武器付き、五人だな。よし、昏倒させた。警邏に連絡してくれ」と長良さんがいう。
「分かった、電話借りるぞ」といって折神さんがホールに電話をしに出て行く。
「猫はしばらく外で監視だな」と長良さんがいって、おフダを懐に入れた。
そこに折神さんが帰って来た「通報だけしてきた」と答えた
「こんな状況でなんだが、なにかリクエストはあるかい?」と長良さんが表情を元に戻した。
私はともかくみんなは力の出るものがいいだろうとそう思って「ステーキが食べたいです」と答えた。
長良さんは笑顔で「分かった。副課長の差し入れに合った肉で焼くか」というとキッチンに入っていった。
2035/11/24(土) 午前十八時十五分 長良さんの隠れ家・リビング 藍・折神・香織
インターホンが鳴った警察官が来ていた、「俺が出て話を付けて来る」というと折神さんが対応しに出て行った。
「大丈夫でしょうか?」と私は聞いた、すると香織さんが答えた「あの人、現役だから大丈夫」と答えてくれたけど良く分らなかった。
現役って何の現役なんだろう? しかも警察に対して大丈夫なんて。
折神さんは検非違使の人だろうとは思うけど、警察に顔が利くってことなのかな?
そういえばラウさんとウィルさんは所属も明らかにはされて無かったなー、長良さんのお友達ってことだとは思うんだけど、まあ考えても仕方ないか。
と思っていたら不意打ちを貰ってしまった、香織さんに。
頬っぺたをぷにっとされたのだ、しかも「お風呂に今のうちに入らない?」と来たのだ。
「ご飯はまだ遠いし、今のうちに入っちゃおう。お湯は張ってあるから新しいよ!」といったのだ。
「今なら男性陣もそれぞれ仕事してるし」といって部屋まで引っ張って行かれた。
香織さんは下着だけ着替えるようだった心なしかさっきより痩せてるような気がした。
2035/11/24(土) 午前十八時二十分 長良さんの隠れ家・ユーティリティールーム 藍・香織
香織さんに半ば強引に引っ張られて部屋まで来たが、着替えを持って出て来てしまった。
三日ぶりなのだ、入らないという選択肢は流石にない。
「さあいこっか」と押し切られてしまうが……。
だが入らないのはイケメンの前で流石にない、汚いままでいるのは私が許さなかった。
「入りますか」と腹をくくった、女は度胸だ……といいながら震える手足。
香織さんが羨ましかった堂々と一緒に入ろうといえるだけの根性がある、綺麗なのだろう。
「震えてるなら、一人づつ入る? 男どもが入って来ないように、見張っててあげる」と香織さんはいいながらプレートを取り出した。
『女子入浴中』と書いてあった、ソレをユーティリティールームの扉の外側にかけた。
「これで入ってくるのはいないと思うけども、念のため外に居ようか?」と聞かれた。
でもここで引き下がるのは、負けているような気がした。
「一緒に入りましょう」と声を出した。
「分かったわ」と香織さんがいってユーティリティールームの内側から鍵を掛けた。
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