第13話

2035/11/24(土)  午前十六時半 セーフハウス・リビング 長良ながら香織かおりアイ折神おりがみ加藤かとう・ラウ・ウィル(佐須雅)


 俺は藍に分かり易いように増える人物の紹介をし始めた。


 リビングの南側に新しく加わるメンバーに立ってもらっている。もちろん椅子は用意してある。


「左から加藤さん、ラウ、ウィルの三人が新たに護衛に加わってもらう、加藤さんは本来は副課長だが友人として参加するといわれ、指揮権は俺のままなのだそうだ、ラウは元町の繁華街と中華街に詳しいその筋の人だ、ウィルは警察関係やハッキングに長けた電子分野の出身なんだ」と皆を友人のように紹介し、藍の興味を俺の友人という線に絞らせてもらった。


 深く突くとこのメンバーは粗だらけだからだ、一癖も二癖もある所属だからだ、所属をいうとややこしいからなと俺は思って藍を見た。




2035/11/24(土)  午前十六時半 長良さんの隠れ家・リビング 藍・長良・香織・折神・加藤・他二人


 長良さんから新たに護衛として加わる人の説明が始まった。


 加藤さんは分かった、さっき来て真摯に色々話してくださった方だ、イケオジとは失礼かなと思ったが私から見ると多分にイケメンというよりはイケオジに該当すると思う。


 ミディアムヘアでストレートヘアを基調とした黒髪で、さっきはオールバックにしていた、品のあるおじさまでジャケットスタイルが良く似合うイケオジだ。


 ラウさんもイケメンに該当する外国人俳優のような端正な顔立ち、でも所々にアジア人特有の感覚を持っている、髪の色であるとか目の色であるとかだ、それを覗けばイケメンの外人俳優といっても差し支えない容姿の持ち主だった、髪型は敢えて決めずにワイルドに流していた。


 ウィルさんは栗色のマッシュヘアで欧米人を思わせる引き締まった体格のようだった、だが瞳の色は栗色で顔も美形の小顔で日本人を思わせるが体躯は日本人のそれではなく、ダブルかなと思わせる容姿で笑顔を絶やさないイケメンだった。


 加藤さんが自己紹介を始めた「今回は長良の一人の友人としてことに当たります。全力で」と優しく力強くいってくださった。


「今紹介にありましたように、元町近辺の繁華街に詳しいです。護衛を引き受けた以上貫き通しますのでよろしくお願いします」とラウさんも力強くいったがどことなしか粗野な感じを受けた。


「今紹介に上がりました通り、電子戦はお任せください」とニコニコと笑みを絶やさずにウィルさんがいわれた、だが私は掴みどころのない印象を受けた。


 イケメンと一重にいってもこれだけ差があるのだ、多分差でいけばここに集ったメンツが濃いだけでもっと町には多くのイケメンが闊歩しているであろう。


 だけどここに集ったイケメンは私のために集ってくれたのだ、私は普段祈らない神に感謝した。




2035/11/24(土)  午前十七時 セーフハウス・リビング 長良・藍・香織・折神・加藤・ラウ・ウィル


「さて作戦会議だ、基本固まって行動すること、最重要人物は藍だ。これは変わらない、風祭探偵社が人を一人出しているが、何かない限りそこには関わらないこと。皆非合法作戦になるが、武器は最小限携行の元行動してくれ。それと報告外の事象としてどこかの組織が藍のことを嗅ぎまわっている。見つけ次第情報を取れそうなら情報を、そうでなければ通常の処理で頼む」と俺はいった。


「はい質問!」と香織がいった「風祭慎悟って人は基本無視でいいと思うんだけど何か重要な情報を持っているんじゃないかと思うんだけど、その時はどうするの?」と聞かれた。


「情報次第だな、藍に知らせてもいい情報の場合は組み込んでもいいがアイツは勝手に動くからな。関りがあるが、危険な情報の場合は無視でいいと思う」と方針を定めた。




2035/11/24(土)  午前十七時 長良さんの隠れ家・リビング 藍・長良・香織・折神・加藤・ラウ・ウィル


 長良さんが作戦の方針を打ち合わせ始めた。


 最重要人物かあ、狙われているのだとしたらそうよね。現に事件で、祖父と父母はもうこの世にいないわけだし。


 香織さんの意見も最もだけど、慎悟さんて人が何を持っているのか分からないけど危険なモノだったら嫌だなと思った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る