第12話

2035/11/24(土)  午前十四時 セーフハウス・リビング 香織かおりアイ長良ながら折神おりがみ


「私は意地でも残るからねー、男所帯に女の子一人って置いておけないよー」と私が開口一番でいった。


「香織、お前学校は!?」と長良さんがいった。


「もうお休みの届け出、一週間分出してきちゃった」と私はいってのけたのであった。


「行動が早いですね、さすが香織さん」と折神さんもいった。


「それにこの事件一週間とかからないでしょう? もう加藤さんのことだから目星は着けているんじゃないかしら」とも私はいったのであった。




2035/11/24(土)  午前十五時 セーフハウス・リビング 長良・藍・香織・折神


「佐須雅さんとラウさん、わりいけどそっちで動いてくれないか? 俺は護衛で動けないんだ」とフィーチャーフォンに向かって話す俺がいた。


「現場が元町繁華街だったからラウさんの方が詳しいんじゃねえかと思ってな、佐須雅さんにはデータから足取りを追って欲しいんだ。それぞれ範囲は別になるが頼みたい、今回の事件絡みだ。どこの組織か分かれば尚いいんだが」というとフィーチャーフォンを切ったのである。




2035/11/24(土)  午前十五時三分 長良さんの隠れ家・リビング 藍・長良・香織・折神


 長良さんが長めの電話をかけていた。


「長良さんはどこにかけていたんですか?」と私は聞いてしまっていた。


「同僚に裏打ちの調査をお願いしてたんだよ、二人ともその道のスペシャリストだからね」と答えられた。




2035/11/24(土)  午前十五時四分 セーフハウス・リビング 折神・藍・長良・香織


「そう言えばさっきの慎悟っていうのは、いつからの腐れ縁なんだ?」と長良さんに聞いた。


「大学時代からの腐れ縁で、アイツはそのころ私立探偵の助手をしていたんだ。今は一端いっぱしに私立探偵をやっているはずだが、打算が多過ぎてまともに仕事ができてないと聞く。噂だけどな」と語ってくれた。


「そうかそれは大変だな」と俺がいった。


「しかもこの件にも少なからず関わって居そうな節があるんだそうだ。副課長の情報だから間違いないとみていい」とさらに語る。




2035/11/24(土)  午前十五時五分 長良さんの隠れ家・リビング 藍・折神・長良・香織


「お爺さんの遺言書に合った探偵社って、慎悟さんの探偵社でしょうか?」と私が疑問を言葉にした。


「案外、そうかもな。だが風祭探偵社は、お堅いほうの探偵社のはずなんだ。無理な依頼は受けないはずだ。血縁てことで入れてもらって、調子に乗ってんじゃないだろうなアイツ」と長良さんがいった。


 長良さんのフィーチャーフォンからジャズが流れ始めた。


「おっと、仕事が早いな。はい長良」といって電話に出た。


「そうか、なにい副課長も込みで全員こっちに来るだとー! 確かに部屋は、ギリギリ空いているが、また休暇か四月朔日わたぬきも大変だな」といった


「すまん藍、大所帯になるが気心は皆分かっているから。どんだけお人好しが多いんだ」と長良さんがいった。


「そんなに多いんですか?」と私が聞いた。


「客室が埋まるなんて前代未聞だがな、副課長が装備を持って二班と一緒に来るらしいから。あ二班はただの護衛だからそっちは気にしなくていいが、ラウと佐須雅と加藤副課長が泊るらしい長期で……」といったのであった。




2035/11/24(土)  午前十五時十五分 セーフハウス・リビング 長良・藍・折神・香織


「副課長さんが来るってことは、指揮体系は副課長さんがトップになるの?」と香織がいった。


「いやトップは俺のままらしい、副課長は友情出演に留めるらしい」とドラマのような話を俺はした。


「護衛が増えるだけだから、藍は心配しなくてもいいぞ」と優しくいった。




2035/11/24(土)  午前十六時 長良さんの隠れ家・リビング 藍・香織・長良・折神


 早速インターホンが鳴って、長良さんと折神さんが慌しく動き始めた。


 私と香織さんはリビングでくつろいでいる。


 長良さんが追加の食料を担いでキッチンに入っていく、そんなに沢山入るのかな? と思うがどんどん運び込んでくる。


 もう入るんだーとしか思えない。


 私たちは他愛のない会話をしていた。


 好きなタイプとかゴシップ絡みの会話だった。

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