第9話

2035/11/24(土)  午前九時四十七分~ 地下駐車場→ショッピングモール アイ香織かおり長良ながら折神おりがみ誰か不明


 私の後ろに誰か知らない人が乗り込んできた、でもさっきの窓際でのやり取りを見ている限りでは長良さんの知り合いか同僚ではないかと思われた。


 そして車が静かに出てスーパーを離れた。


 そして遠く離れた海沿いのショッピングモールに移動した。


 私は普段来る事が無いのでよく分らなかった。




2035/11/24(土)  午前十時十分 ショッピングモール 長良・藍・香織・折神・風祭


「ここで少し休憩だ」と俺はいった。


「てめえ、何厄介ごと持ち込んでやがる」と少々声を荒らげていってしまった。


「藍のことじゃないけどな」と優しくいって、「その後ろの慎悟しんごだ! お前の持ってくる案件は俺らでも対処できないやつばかりじゃねえか、いい加減その軽い頭を何とかしやがれ!」といい切ってしまう。


「すまん、今回も少し世話になる」と慎悟はいうが、それを俺が遮った「誰も、世話をするなんて言ってねえ、ココで降りろ。こっちはこっちで忙しいんだ、お前が居ると邪魔だ。ここまで乗せてやっただけでも、ありがたいと思え」とはっきりという。


 そういって置き去りにした。




2035/11/24(土)  午前十時十分 ショッピングモール 藍・長良・香織・折神・慎悟


 長良さんは休憩するといった。


 少し落ち着けるかと思った矢先、長良さんが怒気を荒らげて後ろの人にいった。


「藍のことじゃないけどな」と優しく諭すようにいってくれるので、私のことじゃないんだと思えた。


 慎悟という人らしい、怒気をはらんだ声が車内に響く、かなり怒っているのが分かる。


 そして少しして、その人はそこに置き去りにされた。




2035/11/24(土)  午前十時十五分 ショッピングモール 長良・藍・香織・折神


 すこし離したところで入り口に近いところを選んで車を止めた。


「悪かったな、怒鳴ったりして。アイツは昔から、一人では手に負えない厄介な事件を抱え込む癖があるんだ。腐れ縁でな多分今回も、よろしくやれると思ったんだろうが。そうは問屋が卸さねえ」といって、「買い物再開するか。目的はそっちだし」と続けた。


「女の子は買い物に行くってことでどうだ、俺たちはその間食料類を買い出しに行ってくる十一時十五分にここで集まろう。緊急があったら即電話をくれ駆けつける、抑えられるなら香織が抑えてしまってもいいぞ」ということにした。


「それと、こいつを持っていけ」といってフダから白くてデコに赤い陰陽印のあるハムスターを創り出し、それを香織に渡した。


「これは何?」と香織から聞かれる。


「式神だ」と答え「鞄の中に入れておいてもいいぞ」とだけいった。


「ふぅ、分かったわ、ポケットに入れておいてもいいのよね」といわれた。


 といって女の子二人は買い物に出かけた。


「さて俺らも四人分買わなきゃな、当然付き合うんだよな? ここにいるっていうことは」と俺は折神に聞いた。


「そのつもりですよ、車のほうに二週間分積んであります」と答えたのだった。


 そして買い込みに行くのである。




2035/11/24(土)  午前十時二十分 ショッピングモール 藍・長良・香織・折神


 長良さんから注意点を聞いて、白いハムスターを香織さんが受け取ってポケットに突っ込んだ。


 まずは最重要の下着からだった、とはいってもお金はどうするのだろうと思っていたら、香織さんが「長良さんから軍資金はたくさん貰ってるから、遠慮なく好きなの買っていいよ。それにそこからあふれても、私がおごってあげる」といったのだ。


 おそるおそるいつものと同じものを選ぶ、香織さんも「日数が足りてないから私も買う」といってシルクの下着を数点買っていた。


「一週間くらいを目安にね」といってくれたので買いやすかった。


 その後上着やスカートなどを調達しそれを入れるドラムバッグなども購入の後、コートなどを見に行って二着くらい二人で楽しみながら買った。


「あのセーフハウスには家電は全部あるから、そのあたりは気にしなくてもいいしね」ということだった小物類も買い終えた時には十一時にはなっていた。


 特にほかにも問題はないそうで、私たちは集合時間の二分前までには着けていた。


 集合時間の一分前に大荷物を入れたカートを二つ持った長良さんと折神さんが帰って来て車に乗れるようになって、車に荷物を積みこんで折神さんがカートをすぐに返しにいった。

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