第2話
2035/11/24(土) 深夜零時五十分 セーフハウス
「少し遠くまで走らせすぎたかな? 家は? 送っていくよ」と優しく声をかけた。
だが、首を左右に振っている。
帰る場所のない迷いネコか? 家出女子中高生を引っ張ってしまったか、どうしたもんかね?
かといってこのままってワケにもいかないな。
確か客間が空いていたな、誰が転がり込んで来てもいい様に用意をしてたのがこういうところで役に立つとは。
「自己紹介が遅れたな、すまなかった。俺は長良
「私は藍、藍色のアイです……」と答えてくれたのでまだ良いが、苗字は聞き出せそうにないような感じだった。
2035/11/24(土) 深夜零時五十分 郊外の一戸建て 藍・長良
十五分ほど走っただろうか、市街地を抜け山間部に差し掛かるかどうかといったところにポツンと建つお屋敷ではないが一戸建てというには少々大きめの家に着いた。
この人の家なのだろうか、ネームプレートが付いていない。
まさか怖い人だったのかな……でももう遅いか。
「少し遠くまで走らせすぎたかな? 家は? 送っていくよ」と優しく声をかけられた。
怖い人ではないようだったが、首を左右に振って拒否をした。
少し間が空いた。
「自己紹介が遅れたな、すまなかった。俺は長良義之、君は?」と聞かれた。
「私は藍、藍色のアイです……」と自己紹介には程遠い答えを返した。
叶うことなら、この人ともう少し一緒に居たい。
見える人だとしたらこれ以上心強いことはない、しかもイケメンだ! そう思った。
2035/11/24(土) 深夜一時 セーフハウス 長良・藍
彼女にここは隠れ家だから俺か一部の人間しか知らない、ということを告げて客室に案内するよというと家には入ってくれるようだった。
彼女は背にペタンコのリュックを背負っていた、大事なものが入っているのだろう。
それには特に触れずに、一応設備は整っている客室に案内する。
モノは洋間だ、ベッドもあるしテレビも括りつけてある。
「今日は遅いからおやすみ」といって、ドアを軽く閉めて自室に向かった。
2035/11/24(土) 深夜一時 郊外の一戸建て 藍・長良
長良さんはここは隠れ家だから長良さんか一部の人間しか知らない、ということと客室に案内するよといってくれた。
とても丁寧で紳士的な対応だ、部屋にはほとんどの物が揃っていた。
デスクと呼べそうな机も、テレビもパソコンまである。
クローゼットは作り付けみたいだし、ベッドや椅子も数脚ある。
「今日は遅いからおやすみ」といって部屋の扉を軽く閉めて行ってくれた。
この人の仕事は何だろう? 警察関係かな? でも違うような気がした。
2035/11/24(土) 深夜一時十分 郊外の一戸建て客室 藍
今日は色々あった、疲れが来て少し眠くなった。
ただ不安要素もまだある、苗字は伝えていないとはいえわたしの容姿を見られてはいるのだ。
目立つ外見はしていないとは思うが、髪の毛は黒髪だけど長めだしカラコンは入れてないけど目は青いのだ。
私自体が家に居づらくなって、家出したということになっているのだろう。
この目はおばあちゃんと同じなんだそうだ、隔世遺伝というヤツで先祖に外国人の血が入っているからということらしい。
ただ疲れても居たのでベッドに座っているうちに眠気が来てそのまま眠ってしまった。
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