ジェラート



「あかん!」

「どうした?」

「イタリアまで来たのに、まだジェラート食べてないやん!!」

「ジェラートって何それ?」

「K知らんの!?イタリア版シャーベットやで!」

「知らない。」

「でも今冬なんよなぁ…寒いかぁ…

でも本場のジェラート食べたいしなぁ…」

「店の中は暖かいんじゃないの?」

「…そりゃそうやわ!

寒くて全然売れなんだらあかんし…。

ほなっ!ジェラート食べ行こっ!!」


らぷんとKはフィレンツェ市内にあるジェラート屋で各々好きなジェラートを買い、店のイートインコーナーで食べていた。


らぷんが一口食べると、口の中でジェラート特有の滑らかな食感を感じ、優しいジェラートの味わいが口の中いっぱいに広がった。


「んーっ!!

このラズベリーのジェラート甘酸っぱくて美味いわぁ〜!

こっちのエスプレッソのやつはほろ苦くて美味しいし!

やっぱり冬やけど、ジェラート食べて正解やったわ!!」


らぷんが舌鼓を打っていた横で、ティラミスとピスタチオのジェラートを頬張るKが困ったように眉をひそめていた。



「俺のジェラート溶けてるわ。」



ジェラートを全く知らなかったKは、ジェラート特有の滑らかさを『アイスが溶けている』と勘違いしていた。

そのKの発言にらぷんは思いっきり吹き出して笑った。なぜなら、初めてジェラートを食べた時にKと全く同じ感想を言った人物をもう一人知っていたからだ。



「wwwwww

それ、ウチの60歳のオトンと同じこと言っとるで!www」

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