最終話

好きだった...。大好きでした...。

そうだ。これだったんだ。僕が彼女に抱く感情を一言で表した表現。僕も彼女のことが好きだった。どうしてもっと早く気づかなかったんだろう。彼女の目を見て、ちゃんと僕の口から伝えたかった。


僕の決意は見事に彼女に見破られ、行き場を失った。代わりにどうしようもなく涙が溢れて、彼女からの手紙にシミを残していく。どんだけ泣いても彼女が戻ってくることはない。頭ではわかっていても、涙は止まってくれないし、やるせない気持ちが僕を支配していく。


冬休み最後の日、僕は久しぶりに外へ出た。僕は空を見上げた。カラッとした晴れの日だった。この空のどこかに彼女がいるのだろうか。彼女はいつも空を見上げていた。自分が帰る場所がどんな場所か考えていたのだろうか?

僕はききょうの花を持って君のお墓へと向かった。綺麗な紫色の花は君によく似合うんじゃないかと思ったんだ。花をお墓の前に置き、手を合わせた。

僕は前を向くよ。君の分まで幸せになってみせるよ。そのためにはもっと人と向き合えるようにならないとね。僕がダメそうな時は君が力を貸してよ。後80年くらい、僕を見守りながら、気長に待っててね。

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薫衣草 立花桜雪 @t__hrs86

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