第二十四話 私だけの佐紀君。
はぁ、佐紀君。佐紀君。佐紀君。
私の、脳内のほぼすべてを埋め尽くしているのは私の彼氏である、佐紀君である。昼休みに会えなかったから、益々、私の思いは募るばかりである。
少しの間会えなかっただけで、私は頭がおかしくなりそうだった。
佐紀君が、他の女に毒されているのではないか。怪我はしていないだろうか。私のせいで、周りのゴミムシたちに何か言われてないか。優しすぎるから、他の女が勘違いしていないか。佐紀君、佐紀君、佐紀君佐紀君佐紀君佐紀君佐紀君佐紀君佐紀君佐紀君佐紀君佐紀君佐紀君佐紀君佐紀君佐紀君佐紀君佐紀君佐紀君佐紀君。
「今日の授業はこれで、終わり。部活のあるものは頑張れ。それ以外のものは勉強に勤しむように。さようなら」
ショートホームルームが終わり、私は急いで佐紀君との待ち合わせ場所に向かう。
だが、待ち合わせ場所にはまだ佐紀君は来ていなかった。
でも、いいの。私は、待てる女だもん。
数分経って、私も待つのが限界になりかけていたとき佐紀君から連絡が来る。
「先生のお手伝いしなきゃいけないから、先に帰っていて」
..............佐紀君、優しすぎよ。
手伝いなんて、他の人に押し付けてしまえばいいのに。
......まぁ、誰にでも優しくて平等なところが佐紀君のとってもすきなところなんだけれど。
どうしよう、先に帰ろうか。サプライズで待っていようかな。
そう思い、待つこと数十分。
段々となんだか嫌な予感がしてくる。
他のゴミ虫といるんじゃないか。変な女に捕まっていて困っているんじゃないのか。
不安が次から次へと私の心を染め上げる。
大丈夫だよね。
でも..............。
私は、校舎のほうへ足を向けた。
二階へ上がり、佐紀君の教室へと向かう。
大丈夫、大丈夫。
教室からは、佐紀君の声が聞こえた。
私は、思わず教室に入ろうと思ったが、聞こえたのは彼の声だけではなかった。
こっそりと見てみると、あのくそ女と喋っていた。
私の中の何か黒いものが私を飲み込む感覚に襲われる。
「佐紀君..............なんで?ねぇ、なんで」
佐紀君、佐紀君、佐紀君、佐紀君、佐紀君、佐紀君、佐紀君、佐紀君、佐紀君、佐紀君、佐紀君、佐紀君、佐紀君、佐紀君。
数分経ってから、あのくそ女が出ていき佐紀君も教師に資料を持って行きに行った。
「大好きだよ、佐紀君」
佐紀君への思いは募るばかりだ。
佐紀君は、悪い子だよね。私が元の正しい道へ戻してあげないと。
佐紀君が、帰りの準備の支度をしているのを見計らい後ろをに忍び寄り、
「ねぇ、佐紀君」
大好きだよ?ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、一緒だから。
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