第二十一話 私の気持ち。

「佐紀君......」

「何?」


 本当に私の彼氏はかっこいい。


 横にいる佐紀君の顔を見つめる。すごくかっこいいし可愛い。佐紀君がどんな行動してもかっこいいし、可愛く見えてしまう。


 恋は盲目なんて言うけれど、わたしの目は確かである。


 だって、どこからどう見たって佐紀君はかっこいいのだから。


「大好き」

「僕も大好きだよ」


 佐紀君のぬくもりが欲しくて私はさらに強く抱きしめる。


 私の突然の告白に対して、佐紀君は喜んで告白を受けてくれた。


 正直、あの時私は自分を制御できていなかった。佐紀君があの美紀とかいう女と喋っているだけで私は途轍もない焦燥感に見舞われたんだ。佐紀君を捕られるそう思った。佐紀君は私の隣で笑っていて欲しい。私の隣にいて欲しい、私以外に触れられて欲しくない。そう思った。


 結果的には、告白を受けてくれたから結果オーライだが。


 告白を受けてくれなかったら私はどうなっていただろう。

 

 その後の将来を想像したが......................。


「どうしたの、銀花。泣いてるよ!?」

「な、何でもないの」


 私の隣に佐紀君がいない。


 そのことだけで私は猛烈な孤独感、悲壮感、あらゆる負の感情が押し寄せた。

 

「大丈夫だよ、銀花」

 

 そういって佐紀君がそっと抱きしめてくれた。


 私の気持ちを察してくれる、私の気持ちを理解してくれる、私を見ていてくれる。


 きっと、佐紀君は私の神様なんだ。


 佐紀君は私と赤い糸でずっと、ずっと、ずっと、ずっと結ばれているんだ。


「佐紀君すきぃ」

「僕も大好きだよ」


 佐紀君の頭なでなでも大好き。


 佐紀君のありのままの私を受け入れてくれるところが好き。


 優しいところはもっと大好き。


 でもね、佐紀君。


 その優しいところは好きだけれど、私だけに向けていて欲しいの。私にしか向けちゃだめだよ?他の女に向けちゃダメ。馬鹿なクズ女たちが勘違いして蠅のように寄ってきちゃうから。ダメ、絶対にダメ。


 もし、他の女のところへ行ったら......。


「ちょ、銀花?」

「だーめ、動かないで」

「わ、分かったけれど。少し痛い」


 私は消えないように少し強く彼の首筋にキスマークを付ける。赤くなってしまったので優しく舌で舐めてあげると、佐紀君は恥ずかしいのか、顔を背ける。


 可愛い。


 もっとしてあげたくなっちゃう。


「も、もういいから」

「ダメだよ?佐紀君が可愛いのが悪い」


 そのまま、いろんなところにキスマークを付け舐めてあげる。


 彼の首周りは私のキスマークと唾液で汚れていた。


 そのことに、充足感を覚えると同時に、背中にぞくぞくっと快楽のようなものがかけめぐる。彼の気持ちよさそうな顔、私によって汚されてしまった佐紀君。



 どうしようもなく興奮した。


「銀花?」

「佐紀君は、私のものだよ?」


 そう耳でささやくよ、くすぐったそうにびくびくしている。


 いつもは、かっこいいからギャップでさらに可愛く見える。


 本当に私の彼氏は最高の人だ。


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