第4話 情報収集開始
-side ラインハルト-
「ふむふむ、おお、そういうことか」
この世界に生まれてきて1年、ついに歩けるようになったし、本を読めるようになった。
ようやく情報収集のスタートをしたのだ。
ここで、これまでわかったことをまとめておこう。
……といってもざっくりいうと、王道ファンタジーという感じを詳しく説明しているだけなので、聞き飛ばしてくれても構わない。
①魔法について:魔法は感覚器官の一つである魔力器官によって生み出されるエネルギーだそうだ。他の臓器と同じように、個体差はあれどこの世界の人間なら誰でも持っているらしい。ただし、他の感覚器官と違うのは、自分で意識して魔力を体内に巡らせないと使えないこと。そこらへんは練習あるのみだ。
基本的に全ての人間が全種類の魔法を使えるらしい。主に、火、水、風、光、闇(もちろん、この属性の魔法は得意、この属性は苦手という得意不得意はあるが)
そのほかにも、上級属性の魔法や複合魔法がある。日本の科学と同じように、日夜盛んに研究が行われていて、新しい魔法が日進月歩で生み出されているらしい。
②経済について:残念ながら、この世界では経済学は発展していないようだ。そもそも、株式会社という概念がないし、資本主義という概念もないみたいだ。
ここら辺は、この世界の国々が、全て絶対王政の”王国”であるということが関係しているのかなと思う。前世でも、資本主義は既得権益があるとどうしても、発展しづらいのではないかと言われていたからな。
ただ、お金は、流通しているようだし、大中小さまざまな商会もある。
前世の世界のように王立学校以外の学校制度も整っていないし、既得権益を守る以外の規制もガバガバ。“完全実力主義”といえるだろう。ビジネスチャンスも多い。
一応、日本の法律に相当する、“合理基準”と呼ばれるルールはあるが、まあ、前世の世界からするとザルみたいなものだ。
③社会全般について:この世界は、発展度的に産業革命が起こる前の世界と同じくらいのようだ。ほぼすべての人が魔法を使えるため、体感としては産業革命より進んでいるように感じる。
ただ、魔法の研究に大きな人的リソースを割いているため、科学や経済の研究者に優秀な人があまりいないのではないかと思う。
ここら辺がこの世界が日本に比べて遅れている理由かな。建物については、地震がないため、レンガで建てた家が多い。
昔からある家を、定期的に修理したり、リフォームすることによって、快適さを保っているようだ。
以上がこの世界の簡単な説明だ。
さすがに1年もすると、わかってくることも多い。この調子でどんどん調べまくりたい。
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