自粛であり余る時間を使って鈴焼というお菓子を入手したら、わりと幸せになれた件

鈴焼なるお菓子があるらしい

　友人のＴとリモートお茶会をする際に、和歌山県の『鈴焼』というお菓子がとっても美味しいという話を聞いた。ただ、開催日までの確実な入手が保証できないので、リモートお茶会で使うお菓子は他の物を用意するという。

「本当にすっごく美味しいんだよ。だからせめて、紹介だけでもしておきたくて」

通話アプリでＴは、何度も残念そうに言っていた。

　昔から、Ｔの勧めるお菓子や料理は、いつも確実に美味しかった。しかし、ここまで強く勧めるお菓子は過去に無かった。Ｔの一番。リモートお茶会のお菓子とは別に、俄然気になってくる。

　ところで、『鈴焼』とは一体どんなものだろうか。鈴焼の販売元である香梅堂には公式サイトがある。さっそく確認してみた。どうやら鈴の形をした、たまご生地の焼き菓子らしい。特に、カステラ焼きに似ている気がした。たまご生地の焼き菓子は大好きだ。Ｔもたまご生地の焼き菓子が好物で、前に勧められたマドレーヌは絶品だった。これはきっと美味しい。ぜひとも食べたい。

　しかし、リモートお茶会での手配を見送るくらいである。何かしらの理由で入手しづらいのだろう。Ｔから事前に得た注意事項は次の通り。

▼注意事項

①ＥＣサイトが無いので電話注文のみ

②口頭で、店舗スタッフにとって馴染みの無い住所を伝える必要がある

③ ②で手こずった場合、「名前はひらがなで良いですか」と打診される

④指定できるのは発送日と時間帯のみ ※着日の指定は無理

⑤入金は地銀のみ

⑥消費期限は一週間

　なるほど、ネットショッピングに慣れた身からすると、難しい条件が並んでいる。さらによくよく考えると、私個人にはさらなる懸念事項が付随していた。

▼懸念事項

・②について

私は某県の難読エリアに住んでいる。図らずも注文の難易度が上がってしまった。

・③について

②により、名前ひらがなを打診されることは確定か。もし打診された場合は、快諾する所存である。

　着日の指定ができないのであれば、当面家にいる日程でオーダーしたほうが確実に受け取れそうである。何しろ消費期限は一週間である。少しでも長く鈴焼が家に在る時間を確保して、美味しく食べられる期間を延ばしたい。