第67話 手紙を読んだ日②
──何だこれ。一応、日記として後から見直すこともあるかと、何が起きたかを書き記しておくが、彼女からキスしている画像が送られてきた。相手は知らない男だ。意味がわからん。
彼は最初、そのように記載していた。
その後、何かに気づいたような論調になる。
──もしかして、あてつけだろうか。嘘だろ、これで? だって嫌そうな顔してるじゃん。いや表面上は
そして唐突に文字が躍るように震えている。
電車の中で書いているのだろうかと思うほどの揺れ具合だ。
──今、気づいたが一緒にメッセージが添えられていた。笑った。『私は新しい人を見つけたんだから、あんたも素敵な人見つけなさいよ』だそうだ。
笑いが治まったのだろうか、再びキチンとした文字に戻ると、彼はなにか気持ちを整理するような文を書き始めていた。
──決めた。仕事はやめる。今日なんてこの日記は徹夜明けの
彼の文章は
日記を読んでいて、ここまで気分が高揚している文は初めてだった。もしかしたら睡眠が取れていない
そして彼は日記の最後に、何かを決意したような気持ちを書き記していた。
──彼女とやり直そう。もう
そうして日記は終わっている。
この日記を読み終わった後、俺は
すると『手紙 書き方』など『謝罪 気持ちの伝え方』など『再プロポーズ 成功』など。ひっきりなしに様々な要項について調べていた。検索された時間を見てみれば、それは夜半から明け方まで続いていた。
これで一つ、はっきりしたことがある。
彼は
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※ 二徹──二日間、徹夜することの意。するとヤバい。常用的な言葉ではないかなと思ったので一応、注釈を入れます。
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