第47話

 僕とアレーヌは邪神教のアジトと思われるところに来ていた。

 邪神教のアジトと思われるところを探すのは非常に簡単だった。

 サクッと僕の魔法でここらへん一帯まるっと索敵して終わりだ。このスラム街の地下に大きな空洞を見つけた。

 そこが邪神教のアジトだろう。実にわかりやすかった。


「ここかな?」

 

 アジトと思われる小さなボロ小屋の中にいた人たちを殲滅し、地下へと通じていると思われる階段への入り口と辿り着く。

 入り口は石の扉で塞がれている。


「ぶち破ろうか」


「うむ」

 

 僕の言葉にアレーヌが頷き、アレーヌは自身の右足を振り下ろす。

 

 ドンッ 

 

 一撃。

 たった一撃で石の扉がぶち破られ、地下に繋がっている階段が見える。


「行こうかぁー」


「うむ」

 

 僕とアレーヌは歩き出した。

 

「待ってくれ!」


 そんな時。後ろから声がかけられる。

 その声。僕は非常に聞き覚えがあった。僕の隣に立っているアレーヌは一瞬で不機嫌です!と言わんばかりのオーラを出し始める。


「なんですか?アキラネ第一王子」

 

 僕は声をかけてきた人物、たくさんの配下を引き連れたアキラネ第一王子の方へと向き直り視線を向けた。


「二人に我らも同行させてもらいたい。お二人が現在新婚旅行中であり、我らが足手まといにしかならないことは承知している。そんなことは百も承知である。しかし、我々にも引けぬ理由があるのだ。どうか……!どうか同行を許してほしい!」


 アキラネ第一王子が深々と頭を下げる。

 そんな気軽に王子が頭を下げるものじゃないと思うが、相手が僕とアレーヌならその対応が妥当であろう。

 ……あぁ。

 確か王位継承でかなり荒れているんだっけか?

 確か第二王子の母方の方が、第一王子の母親であり現王の正妻である女性よりも実家の家の格が高かくて混乱しているんだったけ。

 なるほど。アキラネ第一王子にとって今回の件は重要なことなのだろう。


「……わかりました。構いませんよ。同行してきてもらっても大丈夫です」


 強引に押し通しても良いが、まぁそれをする理由は無いな。

 わざわざ好感度を損ねることはない。


「本当か!?」


「うん。ですが、僕たちが手を貸すのはこれっきりであり、王位継承戦で僕たちの力に頼らないでくださいね?そこを忘れないのであれば文句はありません」


「恩に着る!」

 

 アキラネ第一王子が僕とアレーヌさんに向かって再度深々と頭を下げる。


「はい。では、行きましょうか」

 

 僕とアレーヌ、二人だけではない。アキラネ第一王子たちを連れて僕たちは進んでいった。

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