第25話
町は大騒ぎになった。
古龍。こいつはちょくちょく人間が住んでいるところに出てきて村の人間を襲ったり、この町の人間を襲ったりしていてかなりの被害を出していたららしい。
それを倒してくれた僕たちへの感謝はとどまるところを知らなかった。
「おらおら野郎どもォ!気合い入れていくぞォ!」
「「「おう!」」」
古龍の解体のために解体を仕事としている人たちが古龍へと向かい、必死に得物を振るっている。
他の町からも応援として、解体を仕事としている人たちが駆けつけてくれている。
「ありがとうございます!」
「ランクをカッパークラスにまであげておきますね。本当ならミスリスクラスまであげたいところなんですが、規則上まだカッパークラスまでしかあげられないんです」
確か冒険者ランクは最大で二つまでしかあげられないんだっけ?
「これが依頼金です!」
ちゃんと冒険者ギルドからは古龍討伐の依頼金をもらうことが出来た。古龍の売却代とかも合わせればしばらく働かなくても楽勝だろう。
「いやー、お二人なら出来ると思っていました!私は信じていましたから!」
絶対に無理だと僕たちのことを止めた受付嬢さんが手首の骨折を心配するレベルの手のひら返しを見せてくる。
……そんなに気にすることではないよ?アイアンクラスの冒険者が古龍へと挑みに行くのを止めるなんて当たり前だから……。
「みんな!」
僕は冒険者ギルドにいる冒険者全員へと声をかける。
「今日はお祝いだよ!好きに飲み食いしてね!お代は僕が出してあげるから!」
「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」
僕のこの一言に冒険者たちが歓声を上げる。
「受付嬢さん。今日、彼らが飲み食いした分は依頼金から引いておいて」
「は、はい!」
依頼金の量は膨大。彼らの分を払っても十分の一に満たない。ここを出る時全員まとめて凍らせちゃったからそのお詫びだ。
「じゃあアレーヌ。宿屋に行こうか?」
「うむ。そうだな」
僕の言葉にアレーヌが頷く。
「あら?飲んでいかれないのですか?」
「ははは。うん。僕は良いよ」
「私はゼロと一緒にいるぞ」
「というわけ。じゃあね。依頼金は明日取りに来るよ」
「はい。お待ちしております」
僕の言葉に受付嬢さんが頷いた。
「どこの宿屋にする?高いところも良いけど、安いところも良いよね。旅の醍醐味って感じがする」
「私はゼロに任せるぞ」
「オッケー。じゃあね……」
僕らは祝屋を探して町を歩いた。
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