派手で圧巻のバトルで魅せ、群像劇も素晴らしい一作。
舞台である羽音町はヤクザや半グレなど幾つかの団体がシノギを削り、街を守るための自警団も存在。
多くの思惑が交錯するなか、それぞれの立場と思想から入り乱れてのバトルに発展していきます。
本作最大の特徴は、何よりも派手でリアリティのあるバトルです。
喧嘩殺法、ボクシング、プロレスなど異なる戦い方を得意とする人物が垣根を越えてのバトルは圧巻。
武器も木刀や金属バット、鉄鎖などルール無用の何でもありです。
でも、最大の武器は己の肉体!
個人的に面白いと思う点は、群像劇としても素晴らしいことです。
妻子に見捨てられて離婚した義理堅い中年男、華麗な女子プロレスラー、街を守りたいと願う自警団の青年、メチャクチャ強いヤクザ、復讐のためにヤクザを抜けた男、その他多数の人物……、
登場人物のバックボーンや思想が丹精に描かれており、その人物がどのような人柄であるか分かりやすく、それが行動にも繋がっています。
登場人物が多いですが、その一人一人に人生があるのだと感じさせてくれる手腕はお見事です。
確かな実力に裏打ちされた派手なバトルと、群像劇をぜひとも楽しんでほしい作品です!