第4話 天気はきまぐれ?
今日はコピン様が随分と浮かない顔をしている。いい気味だと思いつつ…
「どうなされました?」
「人間どもの悩みが雨止まないかなばっかでうざい」
「は?ああ、台風か…」
「は~人間は不便だね~台風くらい吹き飛ばせよ」
「無茶言わないでください、しっかりとした天災です」
「雨を何とかしてくれやら買い物にいけないやら学校行くのが憂鬱やら仕事いきたくないやら…知るか!」
「神様が人間の悩みに切れ散らかしてたら終わりですよ?それにこういう時にどのような時間を家で過ごすかが大事なんです」
「よし、人間どもが家に引きこもっているうちに自作のUFO飛ばすか。牛攫おうぜ」
「やめてください、完全にダメな干渉です」
「え~!他の神だってたまに飛ばしてるぞ?」
「なにしてるんですか?!てかだから人間にUFOの存在知られたんじゃ」
「うん、そう」
「まじで神様の存在が人間にとってバグすぎます」
「いいんだよ、俺ら神様はそう言う存在なの」
酷い話だ。しかしこれでもそこまで問題がないのもすごい話だ
「それにしても人間というのは晴れが好きな生き物だな。まあ乾燥地域は雨のほうが大人気だが。なんかたまにいる「雨だって風流でいいじゃねえか」とか言ってかっこつけてるやつですら結局雨が降るとげんなりしてたりするからな。な~にが風流だよ」
「まあ陰鬱とした気分になりますしね」
「思考を読み取るこっちの気持ちにもなれよ、皆ブルーのせいでこっちまでブルーだ」
「元気出してください、ほら晴れの地域だってありますよ?そっちから思考を読み取ったらどうですか?」
「え~それじゃあまともに仕事しちゃうじゃん」
「それでいいんですよ?仕事してくださいよ」
「それはなんか俺のポリシーに反する」
「やかましいですよコピン様」
「やかましいは敬語にしても敬意示せてねえよ」
「わめかないでください」
「おい!もうだめだろ!」
「そんなことはともかく…どうするのですか?台風の地域でいいのあります?」
「う~ん、わからんなというか天気に興味なくなったよな~最近の人間は」
「は?興味あるから台風が~みたいな思考が読み取れるのでは?あっでも車や電車などが出来て昔より恐れる必要がなくなりましたからね…」
「台風ってのは見ても、風速とかどれだけ雨が降るかとかをちゃんと気にしてるやつは少ないんじゃないか?か~ゆとりだね~」
「まあ科学の進歩によってできた余裕ですよ」
「それで地球への関心が薄くなってるんだよな~」
「地球への関心?」
「そう、人間なんて所詮地球に住まわせてもらってる存在だし何なら地球は人間の家だろ。天気とかはその地球の動きの一部だ。昔は生き残るために天気とか人間以外の生き物など、地球のご機嫌を伺ってた」
「あ~確かに鳥とかカエルとかの動きで天気を予測するみたいなのありましたね」
「そうそう、あいつらは地球の動きを肌感覚で感じることが出来ていた。だが今はデータを、統計をとってしまう。目に見えやすくなったが…変化を実感している奴らはほとんどいないだろうな。そうなると家が雨漏りしているのに気づかないのと大差ない」
「確かに…」
「そういう点では俺はああいうやつは意外と好きだ」
そういってコピン様は人間界のある人を見る。
そこには外に出て少し高い所で黄昏ている少女がいた。
まだ台風が直撃はしていないものの雨はポツリポツリと降っていて、風が髪をたなびかせる。
「思考読み取るぞ」
「はい…なにしてるんだろ」
すると少女の思考が流れ込んできた
「台風っていっても範囲は決まってるんだし、通り過ぎる一瞬にしっかり備えれば別に…むしろ今くらいの距離のときの風と冷たい雨が気持ちいい位」
すごい子だな…コピン様が気に入りそうというのがわかる
「はあ…テスト勉強辛いな~家で引きこもって勉強とか正気じゃない…外で風に当たってたい」
うん…ほんとにコピン様似だ、お世辞にも誉め言葉じゃないけど。
それでも…妙に引き付けられる子だ。
パチンッ
「え?ひらめき?あの子に?なにを?」
「今回はかなりましなひらめきだ。心配すんな」
すると少女の思考が入ってくる。
「歩きながら、勉強…英語とか国語なら聞きながら口ずさみながら散歩…いけるかな。数学とか理科は流石に無理か…でも少しは気が紛れそう」
これは…
「めっちゃまともなひらめきじゃないですか!見直しましたよコピン様!」
「お前、俺をどういう評価してたんだ?」
「駄神だと思ってました」
「お前覚えとけよ?」
「はいはい、でもこれであの子の気が晴れたらいいですね。テストも上手く行きそう。」
そういって少女の方に目を移す。
あれ?
台風近くない?速くなった?
「あれ?台風近づいてる?やばい?」
少女の思考も同じことを…
雨強くなってるし…
「コピン様、台風が…あの子風邪ひいちゃいます」
「大丈夫だ!雨をさらに感じれるぞ!」
「だめでしょ!?てかコピン様気づいててわざとひらめき入れました!?台風から意識逸らすために?!どういうつもりですか!?」
「ん?死にゃあしないぞ?」
「それでもでしょ!!せっかく見直したのに」
「天気はきまぐれだからな!それが身に染みるならいいだろう」
「気まぐれなのはあなただー!!」
後日少女はしっかり風邪をひいた。
そしてその後、台風を感じたからか天気にさらに敏感になり、雨が弱まったところを散歩に行けるレベルにまで成長していた。
「ほらみたことか、いい感じだろ?」
コピン様のどや顔がむかつく
――あとがき――
今回は天気についての話。
天気の子ってこういう女の子の方がぴったりじゃね?とか思ったり。
地球は私たちの家だよって話でした。
今回も意見とかあったらコメントお願いします。作者の知見が増えます。
下記の作品をメインで連載しています。こちらも応援してください。
「魔法スポーツ、青春と戦争 ~「纏う」が使えるだけで事件おきすぎじゃね?~」https://kakuyomu.jp/works/16816927859808203215
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます