第3話 恋のきまぐれ

「ふはははははっははははは!あっはははははは!」


「コピン様楽しそうですね。どうしました?」


「いやさ~今男が二股ばれて盛大に振られてて(笑)いつになるかな~って思ってたけど。いや~何もせずに観察していた甲斐あったな~」


「趣味悪すぎません?」


「なんだよ?人間の性欲ほどの娯楽はないぞ?」


「せめて恋って言ってください」


「欲だろ」


「もういいです。で?先程の人の観察は終わりですか?」


「ああ、ちゃんと想定通りの流れになったからな。もうちょい展開が遅かったら介入しようと思ってた」


「介入?どのような?」


「ん?女の方に男の浮気を勘付かせる」


「それ酷くな…いのか…いやむしろ優しい?あれ?わからなくなってきた」


「おっサンプル28万2827に動きがありそうだし、見に行くぞ」


「サンプル多すぎません?」


「当たり前だ人間が何で増えてると思ってんだ。面白い男女共の10万や100万はいるわ」


「…その28万2827はどのような状況なんですか?」


「男が不倫中だな」


「また??」


「違う、次は3股だ」


「余計駄目じゃないですか」


「しかもそれがばれそうだな、まあ俺が介入したし」


「介入したんですか?!」


「ああ、ほら見て見ろ」


それは男とその妻、そして不倫相手と思しき女性だった。


妻「誰よ!その女!怪しいと思ったら!!」


男「いや、違くて、これは会社の同僚で…」


妻「同僚とキスするわけないでしょ!!」


女「何するんですか!?、痛い!!」


男「やめろ!落ち着け!」


妻「落ち着くもんですか!ってあれ?この子茶髪…?」


女「え?はい…?それが何か?」


妻「ねえ…あなた?私この前お風呂で少し長い黒髪をみつけたのね…私やあなたより長い…ねえ?」


女「え?!それ…どういうことですか?離婚して私と、って…」


妻「何その話!?ねえ?まさかまだいるのかしら?」


男「………………」


女、妻「「ちょっと正座」」




「ほら見てワヤ、超修羅場」


コピン様は超楽しそうな悪そうな笑みを浮かべている。

でも私的には…


「見てて辛い現場なんですけど…」


「何言ってんのこれが面白いんじゃん」


「性悪神」


「なんか言った?ワヤ?」


「いえ何も、これには手を出したとのことでしたが?髪の話ですか?」


「そうそう、あまり目に付くわけじゃない長さの髪だったんだけどね、ひらめかせたんだ」


「無意識に見落としてたものに気づかせた感じですか」


「うん、あとは早かったね~上手くいって良かった」


するとさっきの3股男の思考が入ってきた。


男「女の勘って怖い…」


本当に心から思ったのだろう…確かに女性の勘は目を見張るものがある。なんでもお見通しの私たち神とはまた違う。


「女の勘だって(笑)それも俺のせいなのに」


ん?


「女性のほうが観察力があるとか、勘がいいとかって俺が手を出してたらそうなっただけなんだよね」


「どういうことですか?」


「ん?まあ古来から浮気するのは大体男だったからね。最初は女も気づかないもんだったんだけど、ある時気づかせてみたら修羅場で面白くて。それ以来結構こういうのには手を出してたら女って鋭いよなみたいになっちゃった」


「女性のほうが観察力あるというのは…?」


「今では本当にそうだ。俺が与えてきた浮気発見のひらめきがもうマニュアルみたいになって染み込んでる。でも昔はそんなことなかったぞ?」


「そうなんだ…」


「むしろ男のほうが狩りする際に動物とかをよく見るからな…観察眼もってたんじゃねえか?」


「まあ言われてみれば納得な気がします」


「だろ?それが逆転されてんだから…ダメな生き物だよな男って。ワヤもどうだ?ちょっとは恋ではなく欲って言う意味が分かったか?」


「…はい」


「しっかし、昔は何人も娶ってたりで面白かったんだが…つまらん時代になったな」


「いいじゃないですか、一途って感じで」


「人間の三大欲求の一つを一人で埋めようなんて傲慢だぞ?ずっとよっちゃんイカじゃあ飽きるだろ?」


「よっちゃんイカ食べてるんですか?コピン様?わかりやすい例えだったはずなのになんか入ってこないんですけど」


「美味いだろ、お手軽だし。食うか?」


「いや、はい、貰います…あっ美味しい」


「だろ?」


「はい…じゃなくて!じゃあ浮気してもいいと?」


「う~ん難しいよな~今の時代は是としないからな~」


「そうですよ、一人を愛するのも美しい形じゃないですか」


「まあ、頭お花畑のワヤはほっといて…そうなると、必要なのは人を見極める目だな」


「ああ、確かに。いい人を見つけるのは大事ですね」


「うん、後悔しない程の人を見極めれるか、選べるか…って話になってくる。そしてそれにはやっぱ時間が必要だよね。結婚する人が減っているとか、結婚が遅くなってるとかって意外と間違った方向じゃないかもね。でも人間は寿命短いからな~。」


「しっかり考える人が増えていると考えたら確かにいい方向かもしれませんね」


「うん、まあ人間としてのレベルが下がってるてのもあると思うけど」


「え?」


「異性から見た時魅力的な人が減ってるんじゃない?」


「それは…考えたくない説ですね…」


「ふふふ、人間関係の最難関なだけあるね、やっぱ性欲は難しいわ。俺たち神はゆっくり見守ってこうぜ」


「そうですね」


なんだかんだ人間を大事にしてる御方です…私たち神は見守るだけ…




「おっサンプル86万6701に動きがあるぞ!あまりに男が鈍感でむかついたからひらめきを与えてやったんだ。はよくっつけ!そして爆発しろ!ちゃんと起爆スイッチは押してやるぜ!」





はあ…………




――あとがき――

バレンタイン投稿!!

鈍感系主人公のラブコメが全てぶっ飛ぶようなコピン様の存在。

恋愛って難しいですよね。

今回も意見ある方はコメントとかに書いてくれると作者の知見が広まるのでありがたいです。


下記の作品をメインで連載しています。こちらも応援してください。

「魔法スポーツ、青春と戦争 ~「纏う」が使えるだけで事件おきすぎじゃね?~」https://kakuyomu.jp/works/16816927859808203215







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