第2話
ところが、僕はお腹が減ってきてたまらなくなってきたので、「もう!二階に行くで!」と無理やりその子を抱っこして、二階へ降りていった。
ところが、そこにいるはずの、母と姉と、その子の姉の三人は姿を消していた。僕らは、二階の台所で二人っきりになり、カレーをよそって食べはじめた。
「おかしいなぁ、スーパーにでも行ったんかなぁ?」
その子は幼稚園にはいったばかりなので、会話というものを知らない。なのでその頃は、いつも言葉を教えるかのように、ひとり言をその子にわかりやすく、大げさなまでの簡単な言葉づかいを使っていた。
そこに何か、物音が聞こえた。「帰ってきたんかなあ?」と言って、僕が窓を開けて、外を覗いてみても、三人の姿は見えなかった。
「なんや、帰って来たと思ったんやけどなあ」、残念そうにして、席へ戻った。
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