雨の足音
林風(@hayashifu)
第1話
雨の足音
『雨の足音』。もう彼女は忘れたかもしれないが、僕の姪が、三歳の時に使ったきれいな表現である。
姪には、姉と妹の二人がいる。まだ母が元気だったころ、よく僕の姉が二人を連れて帰ってきていた。
姪の妹の方は幼稚園にはいったばかりで、よく僕になついていた。
ある日いつものように、姉が二人を連れて帰ってきたときのことだ。僕とその姪の妹の方は、三階でかくれんぼをしていた。
僕らは三階で遊び、母と姉と、その子の姉は、二階でカレーを食べているはずだった。遊んでいた僕は、だんだんお腹が減ってきたので、「なあ、そろそろカレー食べにいかへん?」と誘った。
しかし、その子はもっとかくれんぼをしていたいと言うので、しょうがないかと思い、もう少し遊んでいることにした。
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