第6話

ところで、未来の自分は、どうやって、会いに来たのだろう。もし、本当なら、未来へ連れていってもらいたい。

「今、お前の考えてることを言ってやろうか」

男は、ニヤニヤして言った。

「残念ながら、未来には行けないよ。条例で決まってるんだ。過去にしか行けない」

「えー、なんか味気ないなー。まあ、いいや。過去に行ってもいい?」

男は、渉を連れ出し、公園に置いてある、変なドアのとこまでやってきた。

ここのボタンを押して、日にちを入力するんだ。

何やら、ドアの横の部分に、デジタルの時計のような装置がついている。

「過去へ行きたいんだろ?ここで、待っててやるから、行ってこいよ」

「じゃあ、行ってくるね」

ドアを開くと、そこにはもう一つの公園の景色があった。

行き先は、十七歳のころだ。

二十二年前に着いた。

渉は、以前住んでいた家を目指した。実家には、はなれがある。

十七歳のころの、渉はそこにいるはずだ。

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