第4話
「警察、呼びますよ」
「ま、待て!はやまるな!おれは、未来のお前だ」
男は、どんどん不審なことを言ってきた。
しかし、よく見ると、目鼻立ちが自分と、そっくりだ。それに、うちの鍵も、持っている。
「そんなこと言ったって、信じられるわけないでしょう。子供じゃあるまいし」
「まあ、これを見てくれ」
男は、十年後の自動車免許証を見せてきた。
確かにそれは、本物の自動車免許証だった。
「はい、これ、おれの嫁さん」
なにやら、男と笑顔で写った女性の写真を財布から出した。渉は、何となく安心して、その写真を見る。
「まぁ、わからないでもないですけどね。奥さんの写真まで見せられて」
ということは、この先、自分は、ちゃんと結婚できてるわけかぁと、渉は思った。
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