第14話 ある日突然、物凄いサービスのお店にいく事もある。
老紳士に連れられてたどり着いたのは吹き抜け構造で天井がやけに高い部屋だった。
広さでいうと30畳ぐらいになるかな?
あまり装飾も無くシンプルな作りだが、座り心地がとてもよさそうなソファとテーブルのセット。
部屋の隅には上の階へとアクセスできるスケルトン構造の螺旋階段が備わっていて、この部屋がメゾネット構造なのがわかった。
部屋自体は白を基調とした明るい作りで、照明もいたるところに設置されている。
こういう部屋にありがちな天井から垂れ下がる豪華なシャンデリアとかもなく、天井には大き目なシーリングファンぐらいしかついていない。
低い背丈の観葉植物と海が一望できる眺望だけが、この部屋のインテリアと言って差し支えないほどシンプルな作りだ。
このリビングにたどり着く前に、エントランスすぐの所にもしっかりとした階段が備わっていたので、この螺旋階段はあくまでもサブ的な見せ階段なのかな?
僕が上ることを想定しても、ちょっと登りずらそうだ。
しかし、この螺旋階段ひとつとっても凄く良いセンスをしている。
中央のテーブルを囲むように、3方向に2人掛けと3人掛けのソファが配置されていて、対面上に配置された2人掛けのソファに、それぞれ老紳士とツネ婆が座った。
合わせるように3人掛けのソファに僕と華怜、ツネ婆さん側に華怜、老紳士側に僕が座った。
ちょうど僕と華怜が座った先に見えるのがこの部屋が誇る大パノラマの海VIEWだ。海側の壁面全面、2階分の高さ全てがガラスになっていて、キラキラと光る東京湾の海がとてもよく見える。
その手前にある倉庫群とか道路とかが角度的にちょうど見えないようになっていて、本当にいい眺めだ。
バルコニーの構造が部屋から1段下がったように作られているのとか、高層階なのにあまり高くないバルコニーフェンスとか、このソファからの眺めを考慮しての作りなんだな。ここに座ってそれが全て理解できた。
今暮らしているツネ婆さんのマンションみたいに、フロア全体がプライベート空間だったり、使用人の居室エリアも同じフロアの他の部屋からたどり着けないような独立した構造になっている事とかも含めて、この部屋買ったらいくらぐらいするんだろう?とか考えるだけ無駄な住居。それを体験した後でも十分に感動できちゃうような作りの住居だ。シンプルイズベストとはこの事かもしれない。
席に着くとすぐにショートヘアのメイドさんがお茶を淹れてくれた。
これはソファの横に設えられたカウンターバーで、最初に出迎えてくれた若いメイドさんが準備してくれていたものだ。
2人とも物凄く接客慣れしていて、そういうお店なのかな?って思ってしまうほど慣れた動作で接客された。
「ケーキを持ってきてくれるかな?」老紳士がそう言うと、ショートヘアのメイドさんが螺旋階段へと向かう。
老紳士の視線はずっとそのショートヘアのメイドさんを追っていて、螺旋階段を昇り始めるとその理由が明らかになった。
やけに丈が短いなと思っていたこのメイド服。螺旋階段を昇るメイドさんのスカートの中身がバッチリと見えている。しかも・・・、履いてない!!だと・・・?
興奮した目でそれを追い続ける老紳士。いやもうこれすでに老紳士とか言わないでエロ紳士でよくね??奥さんが病に臥せっている時になにやってんだよこの人・・・。
「永遠様、見過ぎです。」静かにお茶を飲みながら僕の方を見もせずに華怜が僕に注意する。いやそんなに見てないよ?エロ紳士がどこ見てるんだろう?って気になって目線追ってたら見えちゃっただけだからね?しかも凝視してたわけじゃなくて、中まで見えちゃってビビったからすぐに目線そらしたし!!僕は無実です!!!
「はい。」心の声をグッと押さえて一言だけ発してお茶へ向き直る。
「あんたは相変わらず好きだねぇ。」呆れた声でエロ紳士を非難するツネ婆。
「いやいや、見るだけじゃし?別にあの子に手を出したりせんし?ワシは深雪さん一筋じゃし?これぐらいの楽しみいいじゃろ?」なんだか東雲の爺のキャラがわかってきた気がした。なにその口調。
その後メイドさんが僕と華怜にケーキを、エロ紳士とツネ婆さんには片手で食べられる和菓子を持ってきてくれた。
多分このケーキも上の階じゃなくて下の階に用意しておいてもいいだろうし、若い方のメイドさんも掃除だなんだと低い場所にある物拾う度にこちらにお尻を向けて見せつけてくる。
エロ紳士じゃなくてもついつい見ちゃうシチュエーションが多分に用意してある。このお店めちゃくちゃサービスしっかりしてない?いや店じゃないし。華怜からの視線が痛い、マジで。
これから真面目な話しようってのにこんなサービスしてくるとかこのエロ紳士何考えてるんだろう?
花咲永遠35歳、現在婚約者と妾候補が出来てハーレムルートに足を踏み入れました。これもその一環なのかな?サービス良過ぎじゃない??
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