【 エピローグ: あふるる恋の遠く清くなつかしき 】


 ハンターに後から聞いた話だと、ガルルは時折、町に下りて行き、家畜や農産物を食い荒らしていたという……。

 それが本当にガルルだったのか、今となっては分からない。


 ただ言えるのは、彼女はもうこの世にはいないということ……。




 ――ガルルが亡くなってから、もう10年の歳月が経っていた。

 でも、僕はまだ彼女のことを愛している。


 いや、今でも彼女と恋をしているんだ……。


 君が例え、どんな姿であったとしても……。


 僕は、一番初めに彼女と出会った、あの大きな木の根元に、彼女のお墓を立てた。

 ガルルが大好きだった飴玉を胸ポケットから取り出し、そのお墓へ置く。



 ガルルの眠るお墓には、こう刻まれている。



『あふるる恋の


 遠く清く


 なつかしき』



 ガルル、きっといつか、君の元へ行くからね……。



 あの時


 僕は君と



 一生分の恋をしたんだ……。





(了)



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ガルル ~あふるる恋の遠く清くなつかしき~ 星野 未来@miraii♪ @Hoshino_Miraii

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