【 さよなら 】


 僕も彼女がずっと隣で服を握りながらテレビを見ていることに、心地よさを感じ始めていた。

 気付くと、縁側から夕日が射し始める。


「もう、夕方か……」


 そんなにも時間が経っていたんだと、今更ながらに思う。

 彼女の方を見ると、まだテレビに夢中の様子。


「あのさ、そろそろ君をお家に送り届けないとね……。ガルル、君のお家はどこなんだい?」


 すると、テレビからドラマの中のさよならの言葉で『バイバイ』『バイバイ』というやり取りを耳にする。

 それを見ていた彼女は、急に僕の方を向き、1mくらい離れて、こう言ったんだ。


「バ、バイ、バイ……」


 と……。



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