第23話 デッド オア アライブ
十二月二十五日。Kと永遠の誓いを立て、年が明けた後、すぐにKの家へと引っ越す事になった。
私が今住んでいる家は、管理会社との話で、一月末までという契約となった。昼の仕事もしばらくはこのまま続けるのだが、Kとの生活が完全なものになった時、正社員になれないか店長に問い合わせるつもりでいる。別にバイト扱いのままでもいいとは思っているのだが。
無断で休んだあの日から、店には一度も連絡を入れていないしそのまた逆も然り。Ⅰや連絡先を教えている常連客からしばしば電話を貰っていたが、全て無視していた。この電話番号ももう少ししたら変えようかなんて考えている。もう私には関係なくなった世界の人間との関係を断ち切りたいからである。
この年末から丸一か月かけての引っ越しの準備と、昼間の少しだけのレジ打ちが今の私の仕事であり、それとKの…、いや。私達の家の事も。
それより何より、まるで垣間見る事ができるのではと錯覚してしまうほどの時間の流れと、今まで味わった事がまったくないからうまく形容できないのだが、丸い物が真ん丸に見え、赤い物が真っ赤に見えるそんな心持が嬉しいやらくすぐったいやら。
年末に吹く風など気にしないくらい、私は幸せ真っ只中にあった。
K 岡崎モユル @daggers39280
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