第4話

 翌朝になり、俺は胸の高鳴りで目を覚ました。今日はあの猫は居ないのだろうか。そんな事を気にしている暇はない。と急いで朝食を済ませ、玄関を飛び出した。今日も彼女が僕の方へ歩いてくる。


 「おはようございますっ」


 「お、おはようございます」


 「そう言えば、私の命の恩人なのに、お名前すら伺ってなかったですね」


 「あぁ、そんなこと良いんですよ」


 「教えてくださいっ!私の気が済みません」


 「湯沢ゆざわいつきって言います」


 「イツキさんですね!私は月島つきしま音葉おとはですっ」


 「音葉さん。いい名前ですね」


 「嬉しいですっ!私もこの名前大好きなんですっ」


 まさに彼女にピッタリの美しい名前だ。


 「なんか今日はイツキさんと仲良くなれた気がしますっ」


 「そうですね」


 「では、また明日」


 「では。」


 また明日、かぁ。この幸せな日々がずっと続いて欲しい。

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