第2話

最近なんだかおかしい。

それは、近頃来る仕事がほとんど芸能関係の仕事なのだ。

なので、有名人にたくさん会う。

超美人な俳優や女優とも会う。

だから感覚がバグって来たのか自分が特別なんじゃないかと思い始めてきた。

このまま堂々と振舞っていいのか。とても悩む。

だけど、それよりも悩んでいるものがある。

それはあいつ(望月怜雄)になぜか気に入られていることだ。

なぜだなぜだ??

初めの打ち合わせでも文句を言ったし、気に入られるようなことしていないはず。

「あ!やっほー!ば・ば・あ・!(笑)」

うん、呼び方。

ばばあでも良いとは言ったけども、実際に呼ばれるときつい。

「今日も打ち合わせがんばりましょうね」

気に入られない、嫌われない立ち位置を探す予定だったのに、

完全に気に入られてるじゃん!

それからの打ち合わせは毎回パシられて、変な質問をされたりする。


ある日の打ち合わせの休憩時間、

偶然自動販売機の前であいつに出くわした。

私は自動販売機で飲み物を買うのが久しぶりで新しい自動販売機の操作に興奮していた。

身長の低い私でも一番上が届くように数字のボタンがあった。

あいつはそれを使わずに購入、しかもkuikaでさらっとコーヒーを買ってる。

さすがだなあと思いながら、まぁ案の定慣れていない私は

グダグダで、うしろでコーヒーを飲んでいるあいつに笑われてしまった。

「え?使い方わからない感じ?ばばあ(笑)あ、昔は自動販売機もなかったからなぁ、機械とか使ったことないもんねー(笑)」

「え、うざ」

「俺にそんな口きいて良いのかなぁ???」

「所詮おぼっちゃまなんでしょ、庶民の気持ちとかわかるわけないよ。じゃあね」

私はそれだけ言い残して去っていった、なんか言い切った感じがして私はスッキリだし、 あいつももう付きまとうことは無くなるだろう。

最後少し振り向いた時あいつの顔が少し暗かったような悔しいような表情をしていたことを私は忘れないだろう。

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