第2話「あがめるな!」

「わたしはばかです。与謝野晶子でもありません。」俺は打った。

Twitterの通知が止まった。

っと思いきや…!?


確かに通知は止まったが、何故か胸騒ぎがする。

気になってTwitter検索に与謝野晶子をもう一度かけてみるとーー!?


〈気づかれた!世界の終わりだ…〉


〈自覚されちゃ、この先、何にすがればいいんだ〉


〈唯一の娯楽が…。〉


おれはみんなの娯楽だったのか?気づくとか、自覚、とか、何だ?


そして、俺は目を疑うツイートを目にした。


〈“与謝野晶子”が駄目なら、単刀直入、“神”と呼ぶのはどうだろう?もう隠すことは無いのだし。〉


〈“神”、それは良い!救世主に相応しい名だ。〉


〈みんな、“神”は「在る」だけで世界を変える。自覚しようが、アカウントを消されようが関係ない。今まで通り、あがめよう!〉


???


前回のTwitter検索で、みんな、なにかテキトーなツイートを深読みして俺をあがめてる、ってのは感じたけど、……「神」、だと………???


気持ち悪い!こんなアカウント消してやりゃ!


俺はTwitterを退会した。


神?娯楽?「在る」だけで世界を変える?

ケッ、ばからしい。


その時だった。つけっぱなしにしてたテレビのニュース…。

「現在、240人もの人々が全国あらゆる場所で飛び降り自殺をはかっております!なんでもSNS上のカルト宗教、名前は不明ですが、その教祖がSNSをやめた、というのが動機だという遺書をみなさん書いております。」


カルト…、宗教っ?


こいつらどうかしてるぜ…。


俺か?俺なのか?二次的にしろ、こいつらを殺したのは…?


しかし、彼はまだ自責の念を感じるほどリアリティを持てずにいた。


本当の自分の十字架には…。

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