第5話 秘密

身長176cm

体重65kg

12月10日生まれ

射手座

血液型AB型

サッカー部

好きな食べ物

焼きそばパン


「よく調べたね」

来くんの友達の元晴くんが

私のマル秘ノートを覗き込んだ

慌てて隠す

今は昼休みで

来くんと元晴くんのお昼ご飯に

便乗させてもらっていた

2人はいつも

中庭でご飯を食べている

元晴くんは、お母さんの(?)手作りお弁当に更に購買のパンを買って食べていたり、細身なのに結構大食いだ

来くんは、購買のお惣菜パンがほとんどで

特に焼きそばパンがお気に入りみたい

焼きそばパンがない時は、しぶしぶスパゲッティが挟まったパンを食べている

高校生男子のお昼ご飯に惣菜パン一個…

余計なお世話だとは思いつつ、栄養面が気になってしまった

最初はやっぱり拒絶されてしまった、私の手作りお弁当、味には自信は無かったけれど

最近になり、来くんは私の差し入れを食べてくれるようになった

元晴くんの気遣いのお陰でもある

元晴くんは気さくで

最初は面白がっていたんだろうけれど、すんなり受け入れてくれた

私を見つけると

近づきやすいように

「あ、一羽ちゃんだ」

と、言って手招きしてくれたりする

本当にありがたい

来くんは、最初は迷惑そうにしていたけれど

最近は私が近づいても何も言わなくなった

会話があるわけでは無いけれど

何でかわからないけど

来くんと一緒にいる時間は

安心してしまう

「そう言えば、来くんサッカー部だよね?活動してるところ、見た事無いけど」

と、尋ねると

来くんは私を軽く睨んで

無言のまま立ち去ってしまった

「あーあ、地雷踏んだね、一羽ちゃん」

「…え?」

「アイツの家、複雑でサッカー続けられなくなったんだ」

元晴くんはそっと一言私に告げて

来くんを追いかけて行った

そうとも知らずに

来くんを傷付けてしまった、、、


来くんは、どんな人生を歩んできたの?

どんな事を考えて

どんな夢を見て

今、何を思うの?

来くんの事がもっともっと知りたい

何か私に出来ることがあるのなら

力になりたい

おこがましいかな?


それから数日後

来くんは、学校に来なくなった

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