第41話:教育観の多様化 ⑧

もちろん、フィルタリングなどの利用制限措置やそのような人との交流が出来ないように年齢制限がかかっている事が多いが、難しいのは子供たちが使うアプリやSNSなどで子供たちが情報登録をする際に年齢を詐称するなど相手が設けている制限フィルターをすり抜けてしまう可能性もあるのだ。


 もちろん、登録時にきちんと年齢審査などを行う必要があるが、全てをきちんと審査することは難しく、年齢に関してもきちんと最低年齢以上である事を証明できる身分証も持ち合わせていないことも多い。


 そのため、子供たちが十分な知識を学ぶ前に買い与えるもしくは貸し与えられることでルールを知らないで使っていて、犯罪などに巻き込まれるという危険性も十分想定されるのだ。


 今はデジタル化が進んでいる一方で交流手段の多様化も同時に進んでいっている。


 そのため、今まで通用していた交流方法の比率が下がり、新しい交流方法の比率を上げることで今までの交流方法の良い点を抽出しつつ、新しい交流方法を見いだすことになるため、これからの時代は交流の形が以前よりも多角的に捉えられる物が多い。


 そのため、子供たちにとっては対面とオンラインをバランス良く使い分けることで、“離れていてもいつでも会える”というこれまでとの人間関係の構築の方法が生まれてくることになり、相手によって関わり方を変えることも出来るため、常に人と会うことに対するストレスが今までよりも感じなくなることや必要な人との時間を多く取れるため、優先度を付けやすくなるなど双方にメリットが生まれてくることになるため、人間関係を構築するにも気軽に構築出来ることを考慮するとかなり時代の進化を感じることが出来る。


 一方で、新しい交流法が広まっていくことで、このような人間関係を構築する事が難しい人も次第に増えてくる可能性がある。


 なぜなら、今は貧困率の増加が子供たちまで波及している部分もあり、他の子たちが出来る事が出来ない子や厳格な家庭で育つことで制限されている事が多いと年齢が上がっていく毎に周囲との温度差が生まれてしまい、これまでは問題なく交流できていた人であっても、次第に孤立することもあり得るのだ。


 特に厳格な家庭で育っている子どもは一般的な家庭で育った子どもたちが多い集団生活になじめないことやちょっとのズレで相手からいろいろな言葉を言われることで心が傷つきやすいため、いじめのターゲットになる事や地域における関係も表向きは良いように見えていたとしても裏ではかなり精神的に追い詰められている事も少なくない。


 ただ、厳格な家庭で育った子は家柄が良い子、地域で影響力を持っている親がいる子など下手に手を出すと逆にやられてしまう可能性も十分にあり得るし、そういう事を学校側としては起こして欲しくないと思う事も表面化はしないが、内心思っている部分であると感じている。


今は教育観の違いは社会における価値観の違いにも関係性が高くなる部分であり、子供たちが構築した価値観が社会にそのまま反映されるため、早期から“多様性”についての教育を受けることで更に理解度が進むことや幼少期から“これはダメ”と言われていたことの意味を小学校に入る段階で教えている人もいるが、小学校4年生などある程度の学年になった時に教えている人もいる。


私はこれらの課題は“各家庭が各々で判断する事”だと思っているが、あまりにも教える時期の差が大きくなってしまうと今度は子供たちが集団に入っていく際に情報格差や知識格差につながることになり、何か起きたとしても“僕は・私はその知識を持っていないから何も出来ない”という他責思考になってしまうことで学ぶことを辞めてしまう子など子供たちの成長に影響を与えてしまう懸念もある。


 日本というのは個々に任されている部分が多く、その中でも教育に関しては個人で認識の格差が大きくなる部分でもあり、両親が経験してきたことも教えたいと思うのだが、その事を理解出来るかどうかを判断してから教える傾向や、両親の時代と子供たちの時代で変わってくる部分も多くあるため、タイミングが関係してくる部分でもある。

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