第40話:教育観の多様化 ⑦

特に“普段からおとなしい”・“親の言うことを聞いてくれる”など相手の言うことを聞いてくれる・従ってくれるという子供ほど“我慢しすぎて体調を崩す”、“自分の意見を持てない”、“相手から話しかけられても戸惑う”など社会生活における影響が大きくなっていくことになる。


 また、幼少期からこの状態が中長期的に続くことで子供たちの精神発達に遅れが生じることや社会的孤立など社会で生きられない可能性も徐々に表れてくることもある。


 これらの状態になったときに子供たちの感情が二面性を持ってしまうなど”今の自分はどっちなのだろう?“と考えたときに自己判断をすることが難しくなり、脳内で混乱を起こすなど子どもの自己肯定感に繋がることも十分想定される。


また、家などではおとなしいが、学校でいじめをしてしまうなど家の中と外で別の価値観で行動し、複数の性格を持つといった子どもも増加しており、幼少期からの子供たちとのコミュニケーションが十分に取れているかで表裏なく育っていくことになるのだ。


 今は教育格差と連動して、経済格差も広がっており、良い学歴を取らないと将来生活が安定しないと思われていることもあり、親が経験したことと同じ事を子どもに教えている傾向が目立つようになってきた。


 しかし、親が子どもと同じ年代の時と現在ではかなり異なっている部分が多いことや親によっては“子供たちには自分と同じ思いをさせたくない”といった感情が芽生えることで自分のために使うお金を子どものために使うという家庭も増えている。


 私もさまざま家庭で育った知り合いや友人、海外に行った時に知り合った友人などいろいろな人の話を聞いたが、やはり共通していたのは“親がやりたいことをやらせてくれた”という自分の意思を尊重して、親はそのために投資をしてくれた家庭ほど柔軟な発想や意見を言えるようになっており、逆に親から否定される、尊重されない家庭で育った子は“親から~言われた”・“自分は何言っても意味がない”など完全な負の連鎖を引き起こすことが定常化してしまい、学校などで褒められる事や尊重されることを経験するとそれだけで泣いていた子もいたほどなのだ。


 私はその時は相手が“なぜ、泣いているのか?”は分からなかったが、のちに教育学を学んだときにその意味を理解することが出来た。


 現在は社会情勢がめまぐるしく変化し、急速な教育機会の喪失と他者交流における人間関係の構築など子どもの人格形成をすることが難しい状況にあり、子供たちのコミュニケーション力や人間関係の構築において精神的な影響が高まっているという懸念を抱く。


 なぜなら、塾などに通える子供たちは他の学校などの子供たちとも交流する事が可能であり、塾に通うことで同じ目標に向かって進んでいける仲間がいるという認識が芽生えて、学習意欲が向上するが、家庭の事情などで塾に通えない子どもや学校に行けない子どもに関しては学校の友人との交流が主になることや同じ趣味を持ったネット上の人との交流機会を求める場合もある。


 そうなったときに難しい事として①交流を続ける為に必要な事は何なのか?・②実際に交流する上で注意する点は何か?など自分自身が経験をしたことがない事が起きたときの対処法だ。


 今は子供たちもスマホやタブレットなどのデジタル機器を個人的に保持する年齢が下がり、これらの機器の使用機会が増えており、これらの変化に伴い、大人や学生などの子供たちを狙った犯罪が起きる事も十分にあり得るのだ。


 例えば、“同級生が勝手に同級生の個人情報を別の学校の人に教えてしまったことでその子に対して変なメールやメッセージが届くようになった。”や“子供たちが大人の人と交流するようになって、相手が『会いたい』や『写真を撮って送ってよ』などの過激な要求をして来たときに送ってしまい、要求がエスカレートしてわいせつな画像等の写真を求めるようになった”など一定年齢以下の子供たちに対する犯罪行為が増加する傾向にある。

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