第37話:教育観の多様化 ③-1

 これからは子供たちが減っていくため、ますます他の地域との差別化を図れないと生き残れない市区町村も増えてくると思っている。


 だからこそ、子供を育てやすい社会環境、労働環境、教育環境などさまざまな環境において若い世代が先頭に立って改革を進めていかないといけないと思う。


 現在の日本ではさまざまな教育カリキュラムを掲げた学校が多数存在している。


 そのため、人気のある学校とそうではない学校が出来てしまい、人気のある学校にはたくさんの人が入学希望として殺到するが、そうではない学校では人が集まらず、統廃合や募集停止などに追い込まれる。


 その理由の多くが“このカリキュラムが魅力”という理由も存在するが、この理由に加えて“○○さんが行っている学校だから”や“○○さんが卒業した学校だから”など身近な人や有名人が卒業したという理由や“自分の行きたい企業の卒業者の多くがこの大学だからこの大学には入れる学校に行きたい”など社会的に知名度が高く、将来的に有利に働くなど社会におけるネームバリューを尊重するケースも少なくない。


 そのうえ、現在は少子化の進行により学校数も減少していることからその中でもよりよい学校に行くために人気のある学校に子供たちが集中するという現象が起きやすくなっている。


 私も小学校までは普通の学校に行っていたが、中学校・高校は自分の意思で親元を離れて寮で生活しながら勉強していたこともあり、通学の子たちが経験出来ないことを経験出来た反面、通学の子たちが経験出来たことが経験出来なかったことで精神的に辛い思いをしたこともあった。


 今思うとこの時間が大学生になった時に1人暮らしを始めた時、留学で海外に住んだ時、社会人になって1人暮らしを始めた時もかなり役に立っていて、やっと他の子たちと同じラインに立てたように感じた。


 現代においては低年齢層の受験比率が以前に比べると増加傾向にあり、この傾向が子供たちの人間関係などにも表れることもしばしばだ。


 そして、今は多様化する教育カリキュラムに対して優劣を付けている傾向にあるため、教育の専門家などがおすすめすると今度はその園や学校に人が集中するなど“情報判断基準が専門家基準”になっている場合も多く、このままでは特定の価値観を尊重するのではなく、排除する動きが加速しかねないと感じているし、今は良い児童・生徒・学生がいると他校から入学オファーを受けることや条件優遇などを提示して引き抜きをしようとする動きもあり、見方によっては“良い人材を育てて、自分の実績にしたい”という価値観を持った人が多くなるのだ。


 もちろん、そういう人を育てることは悪いことではないが、相手によっては“子供に対する差別”や“子供たちの教育機会を奪っている”などという声が上がることは十分あり得ることだろう。


 しかしながら、その部分に目を向ける人はほとんどいない。


 その理由として最も高くなっているのが、“子供の教育は親の責任だから、うちらは関係ない”という責任の所在に対するキャッチボールが社会で無意識のうちに行われているからだ。


 私自身、今までさまざまな教育を受けてきたが、自分に合っていると思った事はそこまで多くなく、自分が発言をすると「そんなの無理に決まっている」・「いや、そんなこと出来ないでしょ?」と否定的な意見や「そんな理想の話しをしても変わらないと思う」という“誰かがやるから待ってよう”思考の人が多かった。


 大学の時に出したレボートでも、その日出されたテーマに対して、自分の意見などを書いて提出する機会があったが、私は毎回先生を困らせていた。


 なぜなら、先生からすると“他の学生と同じ内容を書いてくるのだろう。”と思ったらしく、自分がその問題に対して原因から解決法、提案全てを盛り込んだため、レポート用紙3枚から5枚と言われていたが、他の子たちは3枚程度に対して、私は最大量を出すことが多かった。

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