第31話:社会は何を求めるのか ③-1

 その理由として現在は“多様性”が社会的に注目されており、教育に関しても多様性を取り入れることで子供たちが自分に合った学習内容を学ぶことが出来るため、今まで“決められたことを決められた通りにやる”という意識から“自分で決めて自分で責任を持って学ぶ”という意識に変わるため、自分のやりたい目標や夢が明確になっている子供ほど早期に必要な事が分かることで行動力が変わっていく事も多い。


 このように子供達の置かれている環境を整備することで多様な人生設計を描くことが可能となり、将来的な選択肢も広がる。


 そして、幼少期から素敵な発想や感性を持っている子供たちと企業側が繋がることで企業側にとってはこれまで数字だけで見てきた部分を子供の視点で実際に子供たちから意見や改善点など必要な情報を知る事が可能となり、子供の視点から商品を見つめ直すきっかけになるし、仮にその子が十分な教育を受けられない可能性がある場合には会社側がスポンサードして子供たちを育てることも可能になるため、良い人材を早急に確保出来るし、子供たちにとっても家庭の経済状態に左右されない将来設計を考える事が可能になるのだ。



 今の日本においてこのような人材育成は労働基準法や児童福祉法などの法的観点からみると、かなり制限が多いチャレンジになる。


 ただ、良い人材を早期から大事に育てていくことを考えるとこのような取り組みを積極的に推奨していくことも1つの雇用機会の拡充に繋げるためには必要な事であり、個を活かすために必要な体験・経験を積ませる事が出来るきっかけになる。


 特に、子供の場合は環境によって考え方に差が生まれることや良い考え方を持っていたとしてもその才能を活かす場所を大人が奪ってしまっている事も多い。


 そのような子供たちに対して大人が才能を活かす場所を作り、きちんと夢を叶える為に必要な教育や大人の実体験などを基にした学習など大人が子供に早期から必要な事を継承していくことで子供たちがその夢に必要な事を早期から経験することが出来るという“子供の未来形成の先行性”が十分に担保され、そこからキャリア教育へ、将来の夢のプロセスへと繋げていくことが大事だと思う。


 以前に私が関わったことがある子は“夢はあるけど・・・”と自分の夢はあるのだが、その先に対して強い不安を持っている、“○○さんも同じ夢だけど、私と違って努力と勤勉で私は敵わない”というその不安が自然に他者比較として心理的に影響が出てきてしまうため、自分のやっていることに自信を持てなくなっているなど経験値の少なさが自分の夢を自分で潰してしまうことや両親など周囲の人の経験不足や知識不足で子供の夢を潰してしまうことも十分に考えられるのだ。


 このような状況を避ける意味でも学校と企業や新たにキッズコミュニケーターなどの子供との仲介をする役職者を育成し、そこから良い人材になり得る子供たちを不測の事態から守るという1つの早期人材育成の各フェーズにおけるモデルケースを作っていくことも今後は必要になる。


 私は子供たちの長所にフォーカスし、その長所に対してきちんとしたフォローを行いながら必要な試練を与えていくことで“他者比較”の心理を最低限に抑えることや自分を大切にすることの大切さをきちんと教えていくことが大事だと思う。


 なぜなら、今は個人にフォーカスされることは以前に比べると増えてきたのだが、既存の社会風潮からか評価順が“最終学歴”・“最終学歴以外の学歴”・“経歴”・“受賞歴などの実績”と大人になるにつれて個人的な価値を求められるようになり、その基準を満たしていない人は不利な状況に立たされやすくなり、結果を求められてもすぐに出すことは出来ないため、社会から孤立しやすくなるのだ。


 これを解決する為に必要なのは”その子にあった教育法の展開“と”キャリア形成における各教育課程での学習指導計画の策定”だと思う。


 そして、同時に社会に対して“多様性を重視した社会的価値観”や“出身校での学歴差別や就職差別等の不実施”など多様性を重視した考え方を拡散していく必要があると思う。


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